今回取材に伺ったのは、地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩5分ほどのところ、お洒落なショップやカフェが立ち並ぶ三条通りに面したビルの3階にある『ごはんとカフェとお酒 日常茶飯+(ニチジョウサハン)』。
急な階段の奥に広がる、大人の隠れ家のような和食の定食屋さんです。
骨董品が配されたアートな空間
階段をまっすぐに上った3階の突き当たりに、『ごはんとカフェとお酒 日常茶飯+』の入口はあります。扉の奥には、階段部分からは想像できない広めの空間がお出迎え。
まず目に入るのは、所狭しと並べられたアンティーク家具や骨董品の数々。
店主の井上基浩さんが、前職で美術品などを集めたアンティークカフェをされていたこともあり、その目利きでそろえた骨董品が空間を演出しています。
アジア、ヨーロッパなど国に関わらず集められた骨董品や、かかっているレゲエやファンク音楽などが、空間に自然と馴染んでいます。
それは多様性をゆるりと受け入れる井上さんの人柄そのもののようです。
毎日でも食べたい丁寧な手料理
お目当ては昼も夜も食べられる定食
多くの人がその味を求めて足を運ぶ、「本日の一汁三菜」。
栄養バランスが考慮され、さらにカロリーまで明記されているなんて、ダイエットや健康を気にする女性には特に嬉しいですね。
もともと精進料理に寄った定食のお店を考えていたという井上さん。
お店を始めるにあたり、豊かな人脈を生かして、山寺の和尚さんや栄養管理士さんに直々に食やメニューに関するアドバイスを受けたそうです。
「でも外食で健康管理をするのは難しい。それなら動物性食品も含め栄養バランスの取れた食事であること、それを心地いい空間で気分良く食べてもらえることが、自分のできる健康的な食事ではないか」と井上さんは考えました。
取材時の内容は、主菜が「鶏むね肉の甘酢煮」、副菜には「蓮根といんげんのごまあえ」、登場率の高い副菜メニュー「玉ねぎのサラダ」などが並びました。
旬の素材を使い、少しずつ味付けや調理法を変えた日替わり定食が、昼も夜もリーズナブルな850円で提供されているのも、人気の理由のひとつでしょう。
手間暇を惜しまず、素材にもこだわる
栄養のバランスだけではない、『ごはんとカフェとお酒 日常茶飯+』の魅力は、井上さんが手間を惜しまず毎日手作りしていること。
「健康的な食材って“美味しくない”イメージを持たれることも。そういう素材には、ひと手間加えることで欠点を克服でき、美味しい上に栄養価の高い料理になるんですよ」とのこと。
例えば、ヘルシーだけれどパサパサになりがちな鶏むね肉は、下ごしらえでマリネに時間をかけたり、辛味がなくランチでも気兼ねなく食べられると好評の玉ねぎサラダは、水にくぐらせた後さらに冷蔵庫で少し寝かせる、などの工夫がされています。
もちろんダシ、味噌やお米など、和食に重要な食材や調味料にはこだわりがあります。
特にお米は、京都の南丹市で環境循環型農法で育てられた有機米『ヒノヒカリ』を使用。玄米で届くお米を店内で精米しているそうです。
定食を食べ終わった頃に、さりげなく提供される一杯のお茶。
特にメニューには含まれていませんが、「時間があるときは出すんです」と井上さん。
そんな優しいおもてなしは、心まで染み込んでくるようです。
お酒に合うアテはその日の食材次第
メニューにはない一品料理とは
夜ももちろん定食が主役ですが、日本酒の提供もあり、お酒が進む一品料理も楽しめます。
ただ、井上さん曰く「夜の一品やアテ系は、あるもので対応するのでメニューなどは特にないです」とのこと。味付けや素材の好き嫌い、ボリュームや予算などを聞き、“あるもの”で用意してくれるという斬新なスタイル!
取材時にご用意いただいた、バリエーション豊富な一品料理をご紹介します。
最後に
こちらから声を掛けると快く応じてくれますが、決してサービスや会話を押し付けたりしない距離感が心地いいお店。
女性のひとり客が多いというのも納得です。
不摂生が重なったり、二日酔いの後など体調を整えたくなったとき、ぜひ思い出したい存在です。
●食事で健康を気遣いたい
●アンティークや調度品に興味がある
●烏丸御池辺りで落ち着いた店をさがしている
そんな方はぜひ足を運んでみてください。
Writer:榎田 京
※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。