「ダメな夫は育てれば良い」「理想の男性と出会うのを待つより育てる方が良い」といった考え方をする女性がいることをご存じでしょうか。心理学に詳しいコラムニストから見ると、こういった考え方はオススメできません。では、夫を育てるという考え方の一体どこが良くないのでしょうか。
今回は、「夫を育てる」という考え方をオススメできない理由を2つお伝えします。「夫婦生活は子育てをするのと一緒」「ダメなところは直してもらって当然」といった考え方をしがちな女性は、ぜひ参考にしてみてください。
【理由その1】夫を尊敬できなくなるから
「夫を育てる」という考え方をオススメできない最大の理由は、夫を尊敬できなくなるからです。
夫を育てようとすると、妻は「夫よりも自分が優位に立っている」と感じます。そんな状況が長く続けば、夫への尊敬の念はますます薄れていくことでしょう。
では、なぜ夫への尊敬が薄れると良くないのでしょうか。
それは、「お互いを尊敬し合えるかどうか」が「良い夫婦でいられるかどうか」に大きく関わっているからです。
ある婚活サイトのアンケート(※)によると、結婚満足度と大きく関わりがある項目は
◆性格の相性
◆尊敬できる
◆価値観
の3つでした。
さらに、相手への尊敬と結婚満足度の関係性を調べたところ、お互いに尊敬できている夫婦の満足度は平均で75点だったのに対し、尊敬できていない夫婦の平均は40点だったのです。
また、心理学でもこんな調査結果があります。
カナダのある心理学者がおこなった調査によると、自分とパートナーにそれぞれ点数を付けたカップルのうち、「自分よりもパートナーの点数が上」と答えた人は「パートナーは自分よりも点数が下」と答えた人よりも幸福度が高かったのです。
「頼りない夫なら育てれば良い」と思っているうちに、いつの間にか「夫は自分よりも下」と思い始める可能性がありますので注意しましょう。
(参考:幸せな結婚★7つの法則|エキサイト婚活)
【理由その2】人は思い通りに動かなくて当然だから
2つ目の理由は、人が自分の思い通りに動かないのは当たり前のことだからです。
あなたがもし旦那さんにイライラするとしたら、それは旦那さんが自分の望んだ通りに行動しなかったときではありませんか?
たとえば、あなたは旦那さんの帰宅時間に合わせて友だちとのおしゃべりを切り上げて帰ってきたとします。そんな状況で「今日は遅くなるから夕飯は外で食べて帰るよ」と連絡が入れば、「帰りが遅くなるなら先に言ってよ!」と腹を立てるのでは?
この状況に腹が立つのは、旦那さんに対して「予定通りに帰ってくるハズ」「帰りが遅くなるなら先に連絡をくれるハズ」といった期待をしているからです。
もし最初から期待をしていなければ、おそらくそんなに腹は立たないでしょう。
もともと他人だった2人が夫婦になるためには、時間をかけてお互いのことを知っていく必要があります。もちろん、良い面を知ることもあれば、悪い面を知ることもあるでしょう。
しかし、そういった1つ1つの面を知る中で、「この性質は正しくないから直してもらわなくちゃ」と考えるのはオススメできません。そう考えることは、パートナーを自分の思い通りに行動させようとしているのと同じことだからです。
人を自分の思い通りに行動させようとすると、必ずといって良いほど期待しすぎます。
期待しすぎる → 期待を裏切られたことに腹を立てる
→ また自分の思い通りに行動させようとする → 期待しすぎる
こうした悪循環が始まると次第に修復できないほど旦那さんに幻滅してしまう可能性もあるため、注意が必要です。
まずは夫の性質を受け入れ、理解することが大切
相手に期待しすぎないこと=諦めることではありません。大切なのは、相手の性質を知り、まずはそのまま受け止めること。そのうえで、どうすれば自分の要望を受け入れてくれるだろう? と考えることが大切です。
もともと他人だった2人が夫婦になるためには、「2人で幸せな生活をつくっていく」という意識が必要だと考えられます。一方的に「あなたの考え方は間違ってる!」「こういうところがおかしい!」と指摘するのではなく、まずは夫の性質を深く理解することから始めてみてくださいね。
Writer:永瀬なみ
Illust:koharu