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市井昌秀監督が12年間温めてきた「両親への想い」をヒントに創作したオリジナル脚本作品『台風家族』。
描かれるのは、生まれ育った地元を離れたきょうだいが10年ぶりに帰省し、再会した際に巻き起こる珍騒動。
漫才グループ・髭男爵の元メンバーであった市井監督だからこそ描けたブラックユーモアと感動があふれる物語となっている。
作品が待望の公開。「当たり前のことではないということを身にしみて感じています」(市井監督)
“世界一クズ”な一家ながらどこか憎めない、そんな愛すべき鈴木家の長男・小鉄を演じたのが草彅 剛。
強制性交罪で起訴された新井浩文被告が主要キャストとして出演しているため、本作は公開が延期され、公開も危ぶまれていた。
草彅は「本当に色んなことがあって延期になってしまったのですが、お客さんに見ていただいて映画は完成するので、いつも以上に完成を噛み締めています。今日もたくさんのお客さんに来ていただいて、この映画もすごく幸せだと思います」と感慨深げに超満員の客席を見つめた。
「映画を作ったスタッフキャストだけでなく、この公開を心待ちに応援してくださったみなさんのおかげで公開することができます。(劇場に)こんなにたくさんの人がいるということは、もちろん当たり前のことではないということを身にしみて感じています。本当にありがとうございます」と深々と頭を下げる市井監督にも、会場から温かい拍手が贈られた。
草彅の恨み節炸裂!「どうしてあんな暑い場所をロケ現場に選んだんですか!」
撮影は昨年夏、栃木にある古民家を借り切って行われた。
その時の栃木は、最高気温を記録するほどの酷暑だったそうで、「僕史上、一番暑い撮影を経験しました。なんで監督、あんな暑い場所をロケ現場に選んだんですか! 蒸し風呂でやってるみたいで、逃げ場もないし、涼むところもなくて……」と冒頭から恨みをツラツラ述べる草彅。
しかしそれは「役者を追い込む」ための市井監督の作戦だったそう。
「長回しで撮影した喧嘩のシーン、だんだん本当に本人たちが喧嘩しているように見えてくるんです。それが面白いし、本物の脂汗も出ているし。みなさん術中にはまってくれましたね」と市井監督。
市井監督が草彅を想像しながら作った主人公像は「今まで演じたなかで一番クズ」(草彅)
「草彅さんが今まで演っていないんじゃないかという、人間誰しもが持っている“汚い部分”みたいなところを考えながら書いた」(市井監督)という主人公・小鉄像は、草彅いわく「今まで演じた中で一番クズなんです」。
「長男としてブレずに、最後までネチネチネチネチ遺産をぶんどってやろうと、めちゃくちゃしつこくて(笑)。でも、小鉄のネチネチしたクズさが最後に大きな感動を生み出すような天才的な流れになっているので、おおいに笑っていただけると思います」と脚本を絶賛。
市井監督が「草彅さんがこんなセリフを言ったら面白いな、とか思いながら書きました」という“あるセリフ”も。「普段絶対言わないセリフなので、あ、ここかな?って想像しながら見てもらうのも面白いですね」(草彅)。
「12年間待ちに待った日が9/6になる」(市井監督)
最後に挨拶を求められた市井監督は、「公開できることを本当にありがたく思っています。応援してくださって、ありがとうございます」と客席に向かって再度頭を下げ、「12年間待ちに待った日が9/6になるので、本当に多くの方々に見ていただきたいと思っております」とコメントした。
涙をこらえながらジャニーさんへ感謝……「こうやってたくさんのお客さんの前に立てているのはジャニーさんのおかげ」(草彅)
「映画とは関係ないのですが、今日、東京の方でジャニーさんのお別れ会があります」と草彅が語り始めると、客席は静まり返った。
「こうやってたくさんのお客さんの前に立てているのは、ジャニーさんのおかげだと思っています。ジャニーさん、安らかにお眠りください。ありがとうございました」と声を震わせた。
今にもこぼれそうになる涙をグッとこらえながら続ける。
「気持ちを強く持って、それぞれの場所からジャニーさんへの感謝の気持ちを忘れず、これからもジャニーさんの教えを胸に抱いて、エンターテインメントの世界を歩んで行きたいと思います」。
「映画の中でダンスを踊るシーンがあるのですが、ジャニーさんから何度も言われた『YOU、やっちゃいなよ』精神で、その場で考えて踊りました。小さい時からポーンとステージに出されて頑張ってきてる僕たちなので、監督の要求には応えられてるかな。ぜひ見てやってください!」と熱くPR。
会場からの割れんばかりの大声援と拍手に包まれ、舞台挨拶は幕を閉じた。
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【STORY】
台風が近づく2018年のある夏の日、鈴木小鉄は妻と娘を連れて実家へと車を走らせていた。
10年前、銀行強盗で世間を騒がせた両親の葬儀に参列するためだ。
葬儀といっても死体はおろか逃走に使われた霊柩車も、強盗した2000万円も未だ見つかっていない。
そんななか、音信不通だったきょうだいが集まる理由は、財産分与を行うためでもあった。
すっかり朽ち果てた鈴木家に長男の小鉄、長女の麗奈、次男の京介が次々とやって来る。
しかし、末っ子の千尋は“見せかけ”の葬儀が終わってもやって来なかった。
そして、財産分与の話し合いの最中に見知らぬ訪問者が現れたことで、小鉄をはじめきょうだいそれぞれの本音や不満、秘密が炙り出されていく。
やがて明らかになる10年前の真実。
なぜ両親は強盗をしなければならなかったのか、なぜ消えてしまったのか……。
【公式HP】 http://taifu-kazoku.com/
【監督・脚本】 市井昌秀
【主題歌】 フラワーカンパニーズ「西陽」(チキン・スキン・レコード)
【音楽】 スパム春日井
【出演】 草彅 剛 MEGUMI 中村倫也 尾野真千子
若葉竜也/甲田まひる 長内映里香 相島一之 斉藤暁/榊原るみ・藤竜也
2018年製作/日本/1時間48分/PG12
【製作】 木下グループ
【配給・制作】 キノフィルムズ
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9/6(金)公開
【大阪】
TOHOシネマズ 梅田
TOHOシネマズ なんば
TOHOシネマズ 鳳
TOHOシネマズ 泉北
TOHOシネマズ くずはモール
【京都】
TOHOシネマズ 二条
【兵庫】
TOHOシネマズ 西宮OS
TOHOシネマズ 伊丹
【滋賀】
大津アレックスシネマ
【奈良】
TOHOシネマズ 橿原
【和歌山】
ジストシネマ和歌山
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