『あまいろコーヒーとたい焼き』があるのは、地下鉄「四条駅」26番出口から徒歩2分ほどの場所。
仏光寺通を西に入った辺りの路地に、入り口があります。よく見ると小さな看板が。この路地の一番奥にお店があります。看板にも描かれているお店のキャラクターは、天草のヒーロー・天草四郎がモチーフ。
隠れ家的な雰囲気がたまらない
細い路地を入っていくワクワク感。お店は5軒続く長屋の京町家で、隠れ家的な雰囲気も魅力です。お客さんの9割が女性。ときおり、女子の集団が路地に吸い込まれていきます。
お店は持ち帰りが中心ですが、イートインスペースも9席あり、珈琲やソーダといった飲み物と一緒に、たい焼きを楽しむこともできます。
こちらで食べられるのは、丸いたい焼き。2017年に惜しまれつつも閉店した九州・天草の『まるきん製菓』の丸い型を受け継いだ、天草の『たい焼きカフェ まるきん』のレシピをもとに作っています。『たい焼きカフェ まるきん』より、少し大きめの丸いたい焼き。「このビジュアルが写真映えする」と、若い女性に人気なのだそうです。
新しい味「ミックス」
たい焼きの味は3種類。プレーンな「つぶあん」に「カスタード」、つぶあんとカスタードの両方が入った「ミックス」(各210円)です。「ミックス」は『たい焼きカフェ まるきん』のレシピ。
あんこは京都の製餡所の餡を使用。カスタードは自家製で、牛乳で煮出した天草の特選茶葉をクリームに混ぜ込んでいます。カスタードのレシピを監修したのは、なんと『エス・コヤマ』の小山 進氏。
『たい焼きカフェ まるきん』のたい焼きは「ミックス」のみなので、『まるきん製菓』の製法を受け継いだたい焼きで「カスタード」と「つぶあん」が食べられるのは同店だけ。どれにしようか迷います。
なぜ丸いたい焼きなの?
たい焼きといえば、しっぽがついた魚の形が一般的。なぜ、丸いたい焼きが誕生したのでしょうか。今はなき、丸いたい焼きの元祖『まるきん製菓』では、レールで回転させる自動たい焼き機を使用していました。レールに乗せられるのは正方形のみ、通常のたい焼きの型は長方形で、レールに乗らないため、この形になったのだそうです。
丸いたい焼きを継いだ理由
もともと、天草出身の画家のマネージャーをしていたという店長の井上智雄さん。出張で天草を訪れるたびに『まるきん製菓』に通っていたのだとか。有志による『まるきん製菓』の再生プロジェクトを知ったとき「自分も京都で天草の良さを広げたい」と、こちらのお店をオープンすることを決めたのだそうです。
天草の特産品も販売
店内では海のミネラルたっぷりの「天草の塩」や、天草ゆかりの作家の陶器も販売しています。たい焼きを買ったついでに、お土産として買って行く方も多いのだそうです。
陶器には、天草の天然陶石「天草陶石」を使用。「天草陶石」は、強度が高くて仕上がりの色が美しく、清水焼や有田焼の主原料としても使用されている品質の高い陶石。デザインも可愛いマグカップは、お土産にもピッタリです。
たい焼きとコーヒーの組み合わせ
店内でたい焼きを食べるなら、たい焼きとホットコーヒーがセットになった「珈琲セット」(500円)がオススメ。天草の焙煎珈琲ブランド『赤い月珈琲』の豆を使用したコーヒーは、たい焼きとの相性もマル。しっかりとした苦みとコクが、たい焼きの甘さとよくあいます。
テイクアウトのお客さんも多いということで、テイクアウトした場合の美味しい食べ方を、店長にうかがいました。冷めたたい焼きは電子レンジで30秒ほど加熱し、さらにトースターで少し焼くと外がカリッとなって、焼きたての美味しさになるとのこと。
また、あんこのたい焼きを割って、バターをはさむアレンジもオススメ。あんバター、美味しいに決まってます! 他にもアレンジとして、生クリームやイチゴなどをはさんでも、美味しいそうです。自分だけの組み合わせを見つけて、オリジナルたい焼きを作ってみてください。
最後に
街中の喧噪から少し離れた路地奥のお店。外にもベンチがあり、たい焼きを食べながら雰囲気のある写真を撮ることもできます。
●たい焼きが好き
●京都の路地にあこがれる
●天草にも少し興味がわいた
天草推しの店長が「天草の海では98%の確率でイルカに出会えるんですよ」と教えてくれました。京都で出会う小さな天草。天草に興味がわいた方も、ぜひ訪れてみてください。
※記事内の価格は店内での飲食・持ち帰り統一の税込価格
※店舗内、店舗前路地ともに完全禁煙
Writer:二木 繁美
※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。