そもそも「瞑想」ってなに?
瞑想と聞くと宗教やスピリチュアルなどを連想させ、少し怪しいと感じてしまう人も多いかもしれません。でも実は、脳科学の研究対象になるなど科学的根拠にも基づいており、多くの成功者やビジネスマン、アスリートの中にも実践者が多いのだとか。
「瞑想とは目を閉じて心を静め、無心になって想念を集中させること」とされていますが、禅やマインドフルネス、ヨガで行う瞑想などそのスタイルは様々です。
瞑想について研究している専門家などが発表している論文によると、瞑想の種類は大きく分けて3つ。
(1)集中法/Focused Attention
考えや感情など対象物、一点に集中する瞑想法で、雑念が湧いたらいったん受け入れて、また対象物に意識を戻すことを繰り返します。
(例:チベット仏教など)
(2)観察法/open monitoring
呼吸や思考、感覚に注意を向け、あるがままの自己を文字通り観察する瞑想法。浮かんでくる雑念なども否定や批判せず、ただ観察するのが特徴です。
(例:マインドフルネス瞑想、ヴィパッサナー瞑想など)
(3)自動的な自己超越法/Automatic Self-Transcending
自分自身の活動領域を超越する瞑想法。脳全体の活性化、さらには「人間の全潜在能力を目覚めさせる」技法とも言われています。
(例:TM(超越瞑想)など)
家事や日常の活動も瞑想に
瞑想のために時間を取るのが難しいなら、日常の行動でも似たような効果が期待できるそうです。
例えば、目の前の作業に集中する料理や掃除、呼吸や感覚に意識を向けるジョギングやウォーキング、シャワーなど。これらを瞑想のためのエクササイズだと意識して行うところから始めてみませんか。
瞑想で期待できる効果とは
瞑想の種類やスタイルによって効果も様々ですが、いずれにも効果が期待できそうなものをいくつか挙げてみます。
- 幸福度が高まる
- 自分軸がしっかりする
- 集中力が強まる
- ストレスの軽減
- 呼吸が深まり気持ちが落ち着く
問題が起きても物事を俯瞰してみることができるようになるため、感情に左右されずどっしり構えていられるように。また副交感神経が優位になることでストレスが緩和され、穏やかで前向きな気持ちが高まる、脳内から「セロトニン」という幸せホルモンが分泌されることで幸福度がアップするなど、嬉しい効果が報告されています。
知っておきたい瞑想の基本
一見ハードルの高い瞑想ですが、実は特に厳しいルールはないのだそう。
例えば姿勢はそのスタイルや、個人の体の可動範囲によっても違ってきますし、行う時間もその人のライフスタイルによって違って来るでしょう。
今回はより一般的な姿勢や、手軽に始めるためのいくつかのヒントをお伝えします。
● 姿勢
ヨガの基本ポーズ「安楽座(あんらくざ)」がオススメ。
両膝を曲げ体の方に引き寄せます。このとき踵が体の中心で前後に並ぶように座ります。仙骨を立てて背骨をまっすぐにします。自分の体が大地と天を繋ぐようなイメージで。
ポイントは「深い呼吸」ができること。姿勢が歪んでいると呼吸が浅くなったり、長時間同じ体勢でいるのが辛くなります。
最後に両手を天に向けてそっと膝の上に乗せてください。胸が開いて呼吸がしやすくなります。
● 呼吸
呼吸のやり方も様々ですが、ここでは実際に筆者が実践している呼吸法をご紹介します。
「吐くが先、吸うが後」と覚えてください。まず「シーッ」と言うように歯の間から少しずつ息を吐き出します。吐き切ったら後は自然に任せて今度は鼻から空気を吸います。口から吸うと、喉が乾燥し傷めることがあるので気を付けて。
吐いて吸う、この呼吸の間に意識的にポーズ(間)を設けてみたり、鼻で吸って鼻で吐くなどの方法もあります。
● 場所と時間
これらは生活スタイルに合ったものを取り入れるのが、長続きするコツです。
オススメは目覚めたばかりの朝の時間や、睡眠前の夜の時間。通勤時間を使ったり、気持ちがざわついたときに行ったり臨機応変に。
時間は10分程度から始めるといいでしょう。3分でも毎日続けると効果がある場合もあるし、慣れてくると何時間も行う人も!
瞑想を始めたいと思ったら
この機会に瞑想を始めたい人は、ひとりで行う方法とクラスを受ける方法があります。
瞑想は自分と向き合う行為ですから、もちろんひとりで行うことも可能。集中力を促してくれたり、リラックス効果のある音楽や誘導瞑想など、今は無料で見られる動画も豊富です。
ひとりだと続きにくい人には講師の元、クラスを受けるのがオススメ。瞑想は誘導する人、つまり講師やインストラクターの影響を受けやすいので、専門家から学ぶことはもちろん、自分と相性の良さそうな講師を選ぶことも大切です。
今は特にオンラインクラスも増えつつあるので、遠方で通うのが難しくても、気に入った講師から学べるのも嬉しいですね。
まとめ
手軽に始められる瞑想のヒントをご紹介しましたが、いかがでしたか。
瞑想の世界は奥が深く、姿勢ひとつ取っても今回ご紹介したものがすべてではありません。
だからこそぜひあなたに合ったやり方を見つけることが続けるカギになります。
一日の中の静かなひととき、自分に向き合う時間を楽しんでみませんか。