目次
メガネをかけて過ごした一日の終りに、レンズをそっと灯りにかざしてみると、気づかないうちに驚くほど汚れていることがあります。
汚れは見え方に影響を与えるだけでなく、本体にダメージを与えてメガネそのものの寿命を左右することも。
何より身に着けるものですから、清潔に保っておいた方が気持ちが良いですよね。
汚れの種類やメガネの基本的なお手入れ方法を紹介します。
メガネの汚れの原因とは?
メガネの汚れの原因は、おもに人の身体から出たものと、外からやってきたものに分けられます。
身体由来の汚れとは、指紋や皮脂、眉毛やまつ毛などの体毛、皮膚片、汗や涙などです。
それ以外では、埃、花粉、排気ガスなども汚れの原因となります。
これらの汚れはとても小さく、空気中を漂っているので、いくら気をつけていても活動した後にはメガネが汚れてしまうのです。
実は乾拭きはNG
ところでメガネの汚れに気づいた時、「購入した時にもらったクロスで乾拭きしている」という人は多いのではないでしょうか。
外出先にクロスがなくハンカチやタオルでぬぐったり、さらにはシャツの裾で……というケースもあるかもしれません。
実はメガネのお手入れをする際に、乾拭きはNG!
細かな汚れがレンズの表面に押しつけられ擦られることで、小さな傷の原因となります。
それらが蓄積すると、レンズに取れない曇りを作ってしまうことも。
汚れなら自力で対処できますが、こうなると店舗などでレンズ交換をしてもらう必要が出てきます。
基本的な水洗いの手順
メガネのお手入れには水洗いがオススメです。
ここからは、基本的なお手入れ方法を紹介します。
【必要な道具】
- タオルまたはティッシュ
- 中性洗剤
- クロス
- メガネ専用クリーナー(あれば)
1.弱めの流水、または洗面器などにためた水でメガネに付いた汚れを洗い流します。
水の勢いが強すぎると、部品の欠けや金具のゆるみの原因となるので注意しましょう。
2.レンズに中性洗剤を1~2滴垂らし、2本の指で挟むように優しく洗います。
皮脂などの汚れは油性なので、落とすには洗剤が必要です。
3.再度水ですすいで洗剤を落とし、タオルやティッシュで水気を取ります。
水分が残っていると錆などの原因になるため、しっかりと拭き取ってください。
4.クロスで磨き上げます。
クロスとはレンズを傷つけない繊維でできた布で、メガネの購入時にケースと一緒にもらえることが多いです。
なくしてしまった場合は100均などで手に入ります。
5.もしあればメガネ専用クリーナーで仕上げます。
メガネ専用クリーナーはレンズの曇り止めなどの効果がある洗剤です。
ドラッグストアなどで購入でき、おもに液体や泡の状態で出てくるボトルタイプと、外出先などでもお手入れしやすい使い捨てのウェットティッシュタイプがあります。
クリーナーで仕上げをすると、お手入れの効果をさらに持続させることができますよ。
洗い方の注意点
普段やり慣れていないかもしれませんが、メガネの水洗いはとても簡単です。
ただし、徹底的に汚れを落とそうと思ってやった工夫が裏目に出ることも。
間違ったやり方でメガネを洗うと、かえって傷つける恐れがあるので注意しましょう。
お湯は使わない
特に皮脂汚れについては、お湯の方がよく落ちるというイメージがあるかもしれません。
しかしメガネのレンズには、反射防止やブルーライトカットなどさまざまな加工がほどこされています。
これらの被膜がお湯の熱によって剥がれたり、変質したりする可能性があるため、お湯は使わず必ず水で洗いましょう。
清潔なタオルやクロスを使う
非常に基本的なポイントですが、メガネを拭くタオルやクロスが汚れていては元も子もありません。
洗いたてのタオルはともかくとして、メガネを買ってからクロスを洗った覚えが一度もない人は、意外に多いのではないでしょうか。
汚れを拭き取るたびに、クロスには埃や皮脂が少しずつ蓄積していきます。
ときどき手洗いをしてクロスも清潔に保ちましょう。
洗剤は必ず中性洗剤を使う
メガネを洗うための洗剤は一般的な台所用の中性洗剤で十分です。
酸性やアルカリ性の洗剤はレンズの被膜を傷めてしまうため避けましょう。
とくに身近な石鹸や、掃除の万能選手である重曹はどちらもアルカリ性なので注意が必要です。
さらにはメガネ専用クリーナーであっても、成分と素材の相性が悪くメガネを傷つけてしまうことがあります。
代表的なところでは、セルロイドとアルコールは避けるべき組み合わせです。
超音波洗浄器を使う方法も
さらに徹底的にお手入れしたいなら、超音波洗浄器もオススメです。
メガネ店の店先に置かれているイメージの強い超音波洗浄器ですが、最近では個人用のものも手頃な値段で購入できます。
メガネを水につけて洗うタイプのこの機械は、超音波によって水を振動させて微細な泡を作り出し、その泡がはじける際の衝撃を利用して汚れを落とします。
そのため手作業ではなかなか落としにくいネジや金具のすき間に入り込んだ汚れも一網打尽にできるのです。
一方でデメリットもあります。
レンズやフレームがすでに傷ついていると、その傷をさらに広げてしまう場合があります。
またべっ甲製のものや、貴金属などの装飾が付いたメガネの場合も、破損してしまう恐れがあるため使えません。
購入前に自分のメガネが使えるかどうか、しっかり確認してからにしましょう。
必要に応じて交換やメンテナンスを
お手入れでカバーできない汚れや不調が出てきたら、メガネ店でパーツ交換やメンテナンスをお願いするのも大切です。
とくに直接顔の皮膚に当たる鼻パッドは油脂で汚れやすく、劣化しがち。
透明だったものが黄ばんでくるなどして見栄えが悪くなってきたらお店で交換してもらいましょう。
またフレームの関節の不調や全体の形の歪みなど、手に負えないと感じたら無理に自力で直さずプロの手を頼ることをオススメします。
まとめ
日々のお手入れでメガネのかけ心地はより清潔で快適になります。
乾拭きよりも水洗いを心がけ、気持ちよく使える状態に保ちましょう。
「メガネをレンズごと乱暴に掴まない」、「レンズを下にして置かない」など、普段の扱い方もポイントです。
メガネはかけている人のトレードマークにもなるもの。
大切に扱ってあげてくださいね。