日常の移動に自転車を使う人は多いはず。職場まで、駅まで、通勤手段にしている人もいれば、子どもとの移動をスムーズにするために子ども乗せ自転車に乗っている人もいます。何気なく乗っている自転車も、いつ事故に遭うか、いつ事故を起こしてしまうかは誰にも予測できないもの。
自転車保険の加入が義務づけられているエリアもあり、うっかり入っていなかったでは済まされないこともあります。
自転車保険の必要性と、どんな保険に入れば良いのかを知っておきましょう。
自転車にはどんなリスクがある?
免許が必要なく、子どもからお年寄りまで乗れる自転車は手軽な乗り物ですが、便利な一方でリスクもあります。自転車を運転中の事故と聞くと被害者になることをイメージするかもしれませんが、加害者になる可能性もあることを知っておかなければいけません。
【被害者となるケース】
自転車を運転中に、単独で転倒しケガをする場合や、自転車やバイク、自動車とぶつかりケガをしてしまう場合。
【加害者となるケース】
自転車を運転中に、他人にケガをさせてしまう場合や、他人の財物を壊してしまう場合。
自転車事故のリスクに備えるには?
自動車を運転する方は、事故に備えて自動車保険に加入していることでしょう。同じく、自転車事故のリスクに備える場合も保険への加入が有効な手段です。
自転車事故のリスクには被害者になるケースと加害者になるケースがありますが、両方をカバーするにはどうしたら良いのか見てみましょう。
自転車事故に必要な保険は2種類
【1.「個人賠償責任保険」で損害賠償責任に備える】
誰かにケガをさせてしまったり、誰かの財物を壊してしまったりすると、損害賠償責任が生じます。例えば、自転車を運転中に歩行者と接触し、相手の方がケガをした場合や、自転車を運転中に駐車している車にぶつかり傷をつけてしまった場合など。要するに、加害者となるケースのことですね。
このような場合、治療費や修理費を負うことになりますが、その負担をカバーしてくれるのが「個人賠償責任保険」です。
「個人賠償責任保険」は、家族全員がそれぞれに加入するものではなく、“生計を共にする同居の親族”が被保険者となります。世帯主が契約すれば、配偶者や子どもが起こした事故も補償されます。
「個人賠償責任保険」はすでに加入している自動車保険や火災保険、共済などの特約として付加しているケースも多いので、すでに加入しているかを確認してみましょう。
【2.「障害保険」で自身のケガに備える】
自転車で転んでケガをした場合や、自動車との事故でケガをした場合などの入院費や通院費をカバーできるのが「障害保険」です。
「障害保険」は自転車事故によるケガに特化しているわけではなく、“急激・偶然・外来”の事故によるケガを補償してくれるもの。
子どもはケガをしやすいからと「障害保険」に既に加入しているケースもあります。ケガの保険になら入っているという方は、自転車事故も補償の対象になるのか確認してみましょう。
「個人賠償責任保険」と「障害保険」がセットで自転車保険
自転車事故に備えるには、「個人賠償責任保険」と「障害保険」が必要であることが分かりました。
既に加入している保険で、これらをカバーできているのなら問題ありません。もしカバーできていないということなら新たに加入を検討する必要がありますね。
それぞれ単体で入る、もしくは既に加入している保険の特約で付加するという方法もありますし、「個人賠償責任保険」と「障害保険」がセットになっている自転車の保険に入る方法もあります。
商品名や細かな補償内容は各会社や商品によって違いますが、自転車の保険と言えばこの2種類の保険がセットとなっているものが多いですよ。
自転車保険加入の義務化が進む
自転車保険に加入するかしないかは各々の判断に任されているでしょ?と思うかもしれませんが、実はそうとは言い切れません。
自転車保険の加入を義務としているエリアもあるからです。例えば、兵庫県は全国で初めて義務化に踏み切り、京都・大阪・滋賀・奈良も加入を義務づけています。
重大事故による賠償額の高額化が背景となっているので、自転車保険の中でも「個人賠償責任保険」へ加入していることが義務づけられています。
まとめ
自転車事故による自身のケガや家族のケガに備えるのはもちろん、加害者となった場合の損害賠償責任にも備えておく必要がありますね。日常に溶け込むように気軽に乗れる自転車だからこそ、事故の可能性も低いものではありません。
家族みんなを守る自転車保険に加入して、もしもに備えておきましょう。