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「やりたい仕事に集中できない」、「午後になると疲れて気が散る」といった悩みはありませんか?
そんな人にぜひ試してほしいのが、「ポモドーロ・テクニック」です。
シンプルかつ効果的な時間管理術方法として、プログラマーなどオフィスで働く人々を中心に世界中で広まりました。
ポモドーロ・テクニックとは?
ポモドーロ・テクニックを生み出したのは、イタリア出身のエンジニアで起業家のフランチェスコ・シリロ氏です。
そのテクニックの要となるのは「25分間集中し、5分間休む」というとてもシンプルなルール。
いくら根を詰めてがんばっても、人間が本当に深く集中できる時間はそう長くありません。
時間を細かく区切り、「25分+5分」を1単位として作業することで生産効率をアップさせるのがポモドーロ・テクニックの大まかな仕組みです。
メリット
ポモドーロ・テクニックを使うと、以下のような効果が得られます。
- 時間内に終わらせようとモチベーションが上がる
- ひとつの作業にじっくり集中できる
- こまめに休憩することで生産効率が上がる
- 作業時間を見積もる能力が身につく
- 自由な時間が増える
別のことがやりたくなっても「今は集中する時間だからあとにしよう」と目の前の作業に戻れるようになります。
作業中にふと別の調べ物を始めたり、ついSNSをチェックしたりなど、脇道にそれやすい人ほどポモドーロ・テクニックがオススメです。
必要な道具は?
ポモドーロ・テクニックに特別な道具は必要なく、タイマーさえあれば今日からでも始めることができます。
「ポモドーロ」はイタリア語で「トマト」という意味。
発案者のシリロ氏が、トマト型のキッチンタイマーで時間を測っていたことが由来です。
もちろん、タイマー機能を持ったスマホや腕時計でも代用できます。
向いている作業/向いていない作業
ポモドーロ・テクニックは、基本的に「自分のペースでできる作業」に向いています。
- 事務作業
- 文章作成
- 調べ物
- 読書・勉強
- 家事
- 絵画・手芸
オフィスワークにはとくにオススメです。
また、ポモドーロ・テクニックを知っている人同士なら複数人で実践でき、会議や打ち合わせの時短化にも役立ちます。
一方で接客業のように、相手のペースにある程度合わせる必要のある業種との相性はあまり良くありません。
しかし書類作成や調べ物、家事などは誰でも取り組む機会があるものです。
普段の何気ない作業にポモドーロ・テクニックが活かせないか振り返ってみてください。
ポモドーロ・テクニックのやり方
ポモドーロ・テクニックは、「25分作業+5分休憩」を1セットとし、以下のように進めていきます。
(1)取り組みたい作業を決める
(2)タイマーで25分をセットする
(3)時間が来るまで作業に集中する
(4)タイマーが鳴ったら5分の休憩をとる
(5)(1)~(4)を4回くり返したら、20分~30分程度の長い休憩をとる
この5ステップ(約2時間半)がさらに大きなひとかたまりとなります。
ただし、慣れないうちは数セットこなしただけで疲れてしまうことも。
最初は無理せずに「3セットから始める」、「作業時間を20分に短縮する」、「休憩時間を10分に伸ばす」などできる範囲から始めましょう。
また静かなオフィスで行う場合は、光や振動で知らせるタイマーを使うのがオススメです。
応用編
実はここまでは、ポモドーロ・テクニックのもっとも重要なアイデアを抜き出したものです。
このやり方が自分に合っていると感じたら、タスクの見積もりや記録にも活用してみてください。
以下がそのやり方の事例です。
(1)今日こなしたいタスクを書き出す
例)
●メールに返信
●請求書の処理
●メッセージカードに書き込み
●プレゼン用スライド作成
●明後日の会議に向けて調べ物
●社内アンケートに回答
●明日客先に渡す資料を作成・印刷
(2)優先順位をつけて並べ替え、何ポモドーロ(25分+5分)かかるかを見積もる
例)
●プレゼン用スライド(統計資料調査)
→2ポモドーロ
●プレゼン用スライド(作成)
→3ポモドーロ
●プレゼン用スライド(装飾)
→1ポモドーロ
●明日客先に渡す資料を作成・印刷
→1ポモドーロ
●請求書の処理
→2ポモドーロ
●メール+社内アンケート+メッセージカード
→1ポモドーロ
●明後日の会議に向けて調べ物
→2ポモドーロ
長いタスクは作業を分割し、短いタスクは合体させるのがポイントです。
(3)タスクに取り組み、1セットが終わったら印をつけて記録する
例)
●プレゼン用スライド(統計資料調査)
2ポモドーロ→○×(中断)○(仕切り直し)
●プレゼン用スライド(作成)
3ポモドーロ→○○○○
●プレゼン用スライド(装飾)
1ポモドーロ→○
●明日客先に渡す資料を作成・印刷
1ポモドーロ→○
●請求書の処理
2ポモドーロ→○
●メール+社内アンケート+メッセージカード
1ポモドーロ→○
●明後日の会議に向けて調べ物
2ポモドーロ→会議リスケのため後日
(○=1ポモドーロ)
何らかの理由で中断した場合は、それも記録します。
(4)今日1日の成果を振り返る
見積もりは正しかったか、途中で中断しなかったかなどを振り返ります。
上の例で言えば、「プレゼン用スライド(作成)」は思ったより時間がかかりましたが、「請求書の処理」は想定の半分の時間でこなすことができました。
処理能力を適切に見積もる力がつくこともポモドーロ・テクニックのメリットのひとつです。
ネットで検索すると、ポモドーロ・テクニック専用アプリや記録シートなどが見つかるので、ぜひ活用してみてください。
中断してしまった時はどうする?
実践にあたって当然思い浮かぶのが、「もし作業中に中断してしまったらどうするの?」という疑問ではないでしょうか。
誰かに話しかけられたり、急な来客があったりと、中断してしまう要因はオフィスにあふれています。
また突然トイレに行きたくなった、どうしても集中できなかったなど、自分に原因があるケースもありえます。
中断した場合は仕切り直し、25分のタイマーを再度設定して作業を再開するのが原則です。
職種によっては難しいかもしれませんが、周囲に「今から集中して○○をやります」と宣言する、ひとりになれるスペースに移動する、電話を受ける時間帯を決めて一度に折り返すなど、集中時間を確保できるように工夫しましょう。
休憩中にはこれがオススメ
休憩時間には、仕事のことをいったん忘れ、頭を空っぽにして休ませましょう。
以下のような行動がオススメです。
- 深呼吸
- 瞑想
- ストレッチ
- トイレ
- 散歩
- 雑談
- お茶やコーヒー
メールの返信やSNSなど、短時間でできることをつい探してしまうかもしれませんが、脳を休ませる意味ではあまり良くありません。
オフィスで働いている場合はストレッチや瞑想などは難しいので、目立たない休み方を見つけてみてください。
椅子に座ったまま伸びをする、お弁当箱を洗う、コンビニに飲み物を買いに行くなど、お気に入りの気分転換がそのうち見つかるはずです。
まとめ
はじめは少し窮屈に感じるかもしれませんが、ポモドーロ・テクニックは集中時間と休憩時間のメリハリを与えてくれるとても便利なライフハックです。
仕事がたくさんあっても、「25分だけ集中すればいい」と考えると少し気が楽になりませんか?
まずは1セットから始めてみてください。