目次
【1】部下のやる気を高める心理学
あきらかにモチベーションが下がっている部下を見たら、ついつい「頑張って」と声をかけてしまいそうになる人も多いのではないでしょうか?
けれど、「頑張って」という言葉は、「今のままじゃダメ。もっと頑張って」というふうに聞こえてしまい、部下のやる気をますます減らしてしまうようです。
そこで、やる気のない部下の小さな成功や承認欲求にアプローチする方法をお伝えします。
活用シーンの具体例
まずは、やる気のない部下でも必ずできる簡単な業務を与えてみましょう。
そして、小さな成功体験を何度も体験してもらいます。
これは、「スモールウィン」といって、「小さな成功体験を積み重ねることで、大きな成功をつかみたくなる」という方法です。
そして、成功したときに褒めたり表彰したりすることで、部下の承認欲求を満たしてやる気を高めてみてください。
ポイント
部下に「小さな成功体験」をさせるとき、部下が「こんなの簡単すぎてバカバカしい」と思うようなものでは、残念ながら効果がありません。
必ず成功できる簡単なものでありながらも、大切だと思える業務をお願いしましょう。
たとえば、「〇〇(やる気のない社員の名前)さん、申し訳ないんだけど、△△企画との打ち合わせの日、25日に変更お願いしてくれない?私、これからすぐ出ないといけなくて。でも、どうしても今日中に連絡したいから」という感じです。
電話をするだけなので誰にでもできるけれど、大事な日程変更の電話ですし、「今日中」に連絡したいというのがポイントです。
「日程変更できました」と報告があったら、「どうしても今日連絡したかったから助かった!ありがとう。日程変更できたから、ゆっくり準備できる」と褒めることも忘れずに。
【2】落ちこむ部下を励ます心理学
落ちこんでいる部下を見かけたときは、「フェイシャル・フィードバック効果」を活用し、気持ちの切り替えを行なってみてはいかがでしょうか?
「フェイシャル・フィードバック効果」とは、偽物の笑顔でも、気持ちが楽しくなってポジティブ思考になりやすいという心理効果のことです。
活用シーンの具体例
落ちこんでいる部下を見かけたら、「最近、みんなの笑顔が明るいと評判なので、笑顔を定着させるために今日も練習しましょう」などと言い、1分間笑顔を作ってもらうだけです。
ポイント
落ち込んでいるときに上司から「笑いなさい」と言われても不快に感じてしまう人も多いと思うので、職場やチームの全員に笑顔を作ってもらうことがポイントです。
たとえば、不定期に笑顔を作ってもらう時間を設けておけば、落ち込んでいる部下を見かけたときにすぐ実践できます。
【3】部下を叱るときに活用したい心理学
叱るときは、「部下のよくない行動だけを叱る」ようにしましょう。
当たり前のように感じますが、相手の受け取り方にもよって意外と難しいので、「〇〇(部下の名前)さんらしくないよ」と伝えてみることをオススメします。
この叱り方は心理学を応用した方法で、人格否定をせずに自己評価を高めつつ、行動だけを叱りたいときにオススメです。
活用シーンの具体例
「叱るぞ」と意気込まず、「この資料、さっそく作ってくれてありがとう。あ、そういえば、ここ間違ってて、〇〇(部下の名前)さんらしくなかったよ~」などと、軽い感じで声をかけてみましょう。
ポイント
部下を叱るときは、人前ではなく、できるだけ2人きりのシーンを選ぶのがポイントです。
業務の内容や職場の環境が原因でどうしても人前で叱るときには、部下ができるだけ恥ずかしい思いをしないよう、声のトーンを落とすなど工夫しましょう。
部下への対応を極めて戦力を高めよう
仕事へのモチベーションや考え方の違う部下に上手に寄り添うのは、並大抵のことではありません。
そのため、「上司や同僚との関係に悩まなくなったと思ったら、部下や後輩への対応に悩むようになった」という人も、多いようです。
ぜひ、今回紹介した心理学を活用し、部下や後輩の戦力を高めてみてくださいね。