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■人気のりんご4種食べ比べ座談会を開催
普段、スーパーで何気なく選んで購入しているりんご。その品種まで気にしている人は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回はりんご4種の食べ比べ座談会を開催しました。
まずは参加者をご紹介します。
子供の頃からりんごが大好きで今でも毎日りんごを2個食べているというスタッフYと、りんごは好きだで時々食べる程度というスタッフG。
そして、青森りんごの食育活動などを行う『関西地区青森りんごの会』※の事務局を務める『青森県大阪情報センター』の田島聖一さん。田島さんは食育の授業に参加し、子供たちにりんごの知識を教えていらっしゃいます。
※『関西地区青森りんごの会』とは、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・和歌山県の卸売市場にある青果会社25社と大阪府内の青果物仲卸組合、全農青森大阪事務所、青森県大阪情報センター(青森県庁の出先機関)の合計31社・団体が加入している会のこと
■りんごの種類の多さにびっくり!
(1)りんごの品種の数は世界で約15,000種
まずはりんごの品種の数についてのお話からスタート!
田島さん:国内で流通しているりんごの品種は何種類あるでしょうか?
スタッフG:全然わからないですけど30種類ぐらいですか?
田島さん:青森県内で主に栽培されているのは約50種、市場で流通されているものは約40種です。国内で品種登録されているのは約2,000種類あります。
スタッフG:え!? そんなにあるんですか!
田島さん:世界だと約15,000種あるといわれています。
スタッフY:すごいですね!いつも食べているりんごなんて、ほんの数種類しかないっていうことですよね。
田島さん:りんごの品種改良の研究は続いていて、毎年新しい品種が出てくるんですよ。
(2)青森県産の赤色りんごと黄色りんご
昔から馴染みのある赤いりんごと、近年生産が増えている黄色いりんご。
黄色いりんごは全体の生産量の2割ほどだそうです。
赤いりんごで代表的なのは、「ふじ」や「サンふじ」、「つがる」、「紅玉」、「ジョナゴールド」など。
また、黄色いりんごで主な品種は、「きおう」、「トキ」、「シナノゴールド」、「王林」などがあります。
■4種の青森りんごを食べ比べ
今回、試食するのは赤色りんごの「ふじ」、「早生ふじ」、「シナノスイート」と、黄色りんごの「トキ」。
「甘味が少ないものから食べるのがオススメ」という田島さんのアドバイス通り、
1.早生ふじ
2.ふじ
3.シナノスイート
4.トキ
の順番で試食していきます。
(1)「ふじ」の早熟系統である「早生ふじ」
田島さん:「早生ふじ」は9月下旬から収穫される品種です。新鮮なものだとみずみずしくて、ジューシーなのが特徴です。
スタッフY:甘くて、よく食べるりんごの味ですね。
スタッフG:食感は少し軟らかめですね。
田島さん:味も見た目も「ふじ」に似ていて、皆さんに馴染みのある味だと思います。
(2)ジューシーで甘味と酸味のバランスがいい「ふじ」
スタッフG:食感が「早生ふじ」と全然違ってサクサク!
スタッフY:「早生ふじ」より歯ごたえがあって、酸味もほどよくて美味しいですね♪
田島さん:「ふじ」も「早生ふじ」同様ジューシーで、甘味と酸味のバランスがちょうどいいんです。果肉はやや粗めで食感も楽しめるのが特徴ですね。
(3)食感がよく香り高い「シナノスイート」
スタッフG:「シナノスイート」は甘くて美味しいですね!
スタッフY:うん、これは甘い! 個人的には食感がしっかりめで好きかも。
田島さん:「シナノスイート」は香り高くて、口に入れた瞬間に香りが抜けていく感じがします。硬さもしっかりしているのが特徴です。りんごは皮がついたまま食べるとりんごの香りも楽しめるのでおすすめですよ。
(4)強い甘味とシャキシャキ食感が特徴の「トキ」
スタッフY:あまり黄色のりんごを食べたことがないのですが、めちゃくちゃ甘いですね。
田島さん:「トキ」などの黄色いりんごは酸味が少なくて、実は甘いです。青りんごと勘違いされていて、酸味が強いと思われている方も多いですよ。
スタッフG:私も黄色いりんごは酸っぱいと思っていました。確かに甘くて香りもいいですね!
田島さん:「トキ」は「ふじ」と「王林」を掛け合わせたりんごです。「王林」は香りが高くて酸味がほとんどなくて甘味が強いのが特徴。先ほどもお話したとおり、甘味と酸味のバランスがいい「ふじ」と「王林」のいいところを受け継いだのが「トキ」で、味のバランスも香りも素晴らしいです。
(5)品種によって食べ方を変えるのがおすすめ
田島さん:「紅玉」というりんごは生で食べるとちょっと酸っぱくて甘味は少ないのですが、アップルパイやジャムに使うととても合います。また「ジョナゴールド」も親に「紅玉」が入っていて爽やかな酸味が特徴なのですが、こちらもアップルパイやジュースにすると美味しいんですよ。
スタッフY:料理に使ったほうがいい品種があるんですね。
スタッフG:私も知らなかった!
田島さん:「ふじ」や「トキ」など甘味がある品種は生で食べるのが美味しいですが、酸味が強い品種は調理して食べると、新たな美味しさを発見できますよ。
■りんごのミニ豆知識
りんごを食べ比べた後に田島さんから、栄養についてや美味しいりんごの見分け方、保存方法など豆知識を教えてもらいました。
(1)りんごは女性に嬉しい栄養がたっぷり
田島さん:りんごには健康や美容にいいといわれる栄養素がたっぷり含まれています。美白に効果的なビタミンC、腸の中の余分な老廃物を出してくれる作用がある食物繊維、むくみ改善が期待できるカリウムなど。また、りんごポリフェノールという成分も入っていて、その主成分である「プロシアニジン」が抗酸化作用が強いため、細胞の酸化を防ぐともいわれています。
スタッフG:美肌と健康を手に入れたければ、りんごを食べるといいんですね!
田島さん:そうなんです。バランスよく食事を取ることはもちろんですが、りんごを1日半個〜1個食べるのがおすすめです。西洋では「1日1個のりんごは医者を遠ざける」ということわざがあるほどなんです。
(2)美味しいりんごはお尻まで真っ赤!?
スタッフG:スーパーで美味しいりんごを見分ける方法がわからないのですが……。
田島さん:まずは、りんごのお尻の色を見ましょう。お尻まで真っ赤に色づいている方が美味しい確率があがります。次に、軸は栄養の通り道なので、太いものを選びましょう。最後に形ですが、お尻の部分がなるべく平らなものがおすすめです。
(3)りんごは保存袋に入れ冷蔵庫へ
田島さん:皆さん、りんごはどこで保存していますか?
スタッフY:冷蔵庫に入れて保存していますが……。
田島さん:正解です! でも必ずビニール袋や保存袋に入れてから冷蔵庫で保存してくださいね。そうすれば約1ヶ月はもちます。りんごからは「エチレンガス」というガスが出ています。このガスは他の果物や野菜を追熟させる効果があるので、必ずビニール袋に入れるようにしてくださいね。
■りんご食べ比べ座談会を終えて
スタッフG:品種によって歯ごたえや味も全然違うことに驚きました! また、同じ種類でも時期やその年の気候によっても味が変わるみたいなので、今度りんごを買うときはしっかり品種も選びたいと思います。りんごには美容効果もあると教えていただいたので、おやつ代わりに食べていきたいと思います!
スタッフY:毎日りんごを食べているのに、まだまだ知らないことだらけでした。りんごの食べ比べも初めてで、気分がさっぱりしたいときには「ふじ」、甘さをしっかり感じたいときは「トキ」、口いっぱいにりんごを頬張りたいときは「シナノスイート」を選びたいです。この座談会を通して、もっとりんごのことを知りたいと感じました。
田島さん:今日は4種類だけでしたが、まだまだりんごの種類は豊富にあります。ぜひいろいろと食べ比べて、お気に入りのりんごの品種を見つけてください!