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冬の睡眠の妨げになるもの
冬のあいだ、ぐっすりと眠れていますか。
熱帯夜の夏に比べると寝苦しさを感じないものの、冬には別の快眠を妨げる要因があるのです。
それは乾燥と寒さ。そのため特に女性は冷えが強くなりやすく、冷えによって寝つきが悪くなり睡眠の質も低下傾向にあるそうです。
冬のセルフケア(養生)でも睡眠を重視
野生の動物が冬眠するように、人間も冬は全体的に活動量が少なくなりがち。それに反して寒さにエネルギーを奪われるため、冬のセルフケアとしてよく眠ること、すなわち「早寝遅起き」が挙げられています。
寝過ぎもまたよくありませんが、いつもより気持ち長めの睡眠を取り、春に向けてのパワーチャージを心がけましょう。
睡眠の質と量
私たちの人生の1/3が睡眠時間だとしたら、睡眠の質を高めることがいかに大切かということが想像できます。
いつまで眠っても、前日からの疲れが残っているようなことはありませんか。そういう目覚めの日は、一日中だるさが続いたりします。
逆に睡眠時間はいつもより短いにも関わらず目覚めがスキッと爽快なときもありますよね。これらは、睡眠において量より質の大切さを物語っているのではないでしょうか。
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」
私たちは睡眠中、全身を安定的に休めているように思いますが、実は性質の違う2種の睡眠を繰り返しています。
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」については聞いたことがあるのではないでしょうか。
深く脳の眠りと言われる「ノンレム睡眠」と、浅く体の眠りと言われる「レム睡眠」を一晩に4~5回ほど繰り返しているのだとか。さらに「ノンレム睡眠」にはその深さのレベルがあり、一晩のうち最大に深い眠りを得られるのが最初の1~2回とされています。
ですから、「ノンレム睡眠」の1度目のサークルから深い眠りに達せる程、脳も体も休ませることができるのですね。
知っておきたい睡眠ホルモンのこと
睡眠中にはさまざまなホルモンが分泌されますが、主に「成長ホルモン」、「メラトニン」、「コルチゾール」の3種類が挙げられます。
若返りもサポート!?「成長ホルモン」
入眠直後の深い睡眠中に多く分泌される成長ホルモン。それは寝入ってから1時間後~数時間後と言われています。
成長ホルモンと聞くと子どもの成長に必要なものというイメージですが、実は睡眠中の成長ホルモンには新陳代謝を助ける役割があり、疲労回復にも欠かせないのだそう。
さらに嬉しいことに、美肌を保つにもこのホルモンがカギになります。肌のターンオーバーの正常化を促し、ダメージを受けた細胞の修復や再生などの役割も。
このため別名「若返りホルモン」とも呼ばれ、エイジングケア効果が期待されています。
抗酸化力の高い「メラトニン」
深部体温を低下するなど、体に睡眠の準備をさせてくれるのがメラトニンです。
目に入る光の量で分泌の量が決まるのが特徴。朝起きて太陽の光が目に入ってから約15時間前後で分泌が始まり、夕方から夜にかけ光の減少に反比例して分泌が進むとされています。
よりよい睡眠のために朝起きてからまず朝日を浴びるように、と言われるのはこのためなのですね。
さてこのメラトニン、実は抗酸化力の高さでも知られています。
睡眠不足が続くと肌のツヤは失われ、表情にも疲れが表れます。これは抗酸化力が弱まったことが原因だとか。
寝ているあいだに体内の酸化ダメージを修復するだけでなく、抗酸化効果を発揮し活性酸素を消去する酵素の働きを促す作用があるというのです。
体内の酸化はエイジング(老化)と深い繋がりがありますから、質のいい睡眠でメラトニンをしっかり分泌させたいですね。
目覚まし作用の「コルチゾール」
メラトニンが眠りを促すホルモンだとすると、コルチゾールは目覚めを促すホルモン。
メラトニンが出始めてから5~6時間後の朝方から、まるでバトンタッチをするように分泌が始まり朝に向けてピークを迎えるそうです。
また血糖値の維持やストレス耐性の働きもしてくれます。
睡眠はダイエットにも効果あり!?
睡眠がダイエットとも関係が深いことを表す、嬉しい報告も。
「睡眠が不足していると肥満になりやすい」という説は多くの研究グループの調査ですでに立証されているそうです。
睡眠不足により太る傾向にある理由のひとつは、食欲を司るホルモンのバランスが崩れて食欲が増進するため。短い睡眠だと「レプチン」という食欲抑制ホルモンが低下し、「グレリン」という食欲増進ホルモンの分泌が増加します。
睡眠を十分に取るとそれらのバランスが整い食欲が落ち着くこと、また体の代謝も活発になるため痩せやすくなるそうですよ。
眠る前に心がけたいこととは
質のいい睡眠のために具体的に何をすべきか。またしないべきかを見ていきます。
よく言われている基本ばかりですが、その理由も一緒に理解できると、自分なりの快眠のルールを見つけるのに役立つはず!
食事は就寝の3時間前までに
睡眠中に体を休めるためにも胃腸をある程度休めてから寝るのが望ましいので、寝る前に空腹を覚えても勢いで食べず、カフェインフリーのハーブティーや生姜湯などで落ち着かせて。
快眠に繋がる入浴のススメ
入浴は副交感神経が優位になりリラクゼーション効果はもちろん、体温調整のためによいとされています。というのも人は体温が下がることでスムーズに入眠できるからです。
また睡眠の質を上げるための入浴は、睡眠の約90分前がいいという説が。深部体温が低下するのに必要な時間だそうですよ。
アロマバスにするとさらに幸福感も得られるのでオススメ!
照明の使い方も一工夫
睡眠と関係のあるメラトニンが、目に入る光の量で分泌量が決まると書きました。照明の光も例外ではありません。夕方からあまり明るい青白い照明だと、体が目覚めてしまうかも。
オススメは暖色系のオレンジの照明です。在宅で仕事しているなら何時までと決めて、そこから照明を切り替えるといいですね。
もちろん、寝る直前までパソコンやスマホなど人工的な光を浴び続けるのは止めましょう。
睡眠環境にアロマを
ベッドルームに取り入れたいのが心を落ち着ける作用のあるアロマ。
代表的なものは「ラベンダー」ですが、柑橘系の瑞々しい「スイートオレンジ」、日本ではお香で使われる穏やかな気持ちになる「サンダルウッド」もおすすめです。
眠る前なのでピローミストでシュッと枕やリネンにひと吹き、ディフューザーで寝る前から漂わせたり、アロマストーンで枕元に置くなど微かに香らせる程度が良いでしょう。
まとめ
冬に陥りやすい睡眠不足の要因や、睡眠の美容へのメリットなどをご紹介しました。
新型ウイルスやインフルエンザも流行していますが、しっかりと深い睡眠が毎日取れると免疫も高まり健やかに過ごすことができるはず。
今の睡眠環境や習慣に取り入れられそうなことがあれば、ぜひ実行してみてくださいね。