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収入がなかなか増えない今、注目を集めているのが「つみたてNISA(積立NISA)」。
しかし「難しそう」、「始め方がわからない」というマネー初心者も多いのではないでしょうか。
本記事では、独立系ファイナンシャルプランナー企業「フューチャー・クリエイション」代表の前川富士雄さんの監修のもと、「つみたてNISA(積立NISA)」についてご紹介します。
つみたてNISA(積立NISA)とは
「つみたてNISA」は、2018年にスタートした少額からの投資を支援するための非課税制度です。手数料が低水準だったり、頻繁に分配金が支払われなかったりと、初心者でも利用しやすい投資商品が対象になっています。
利用できるのは日本に住む20歳以上の人。1人1口座開設でき、新規投資額は毎年400,000円が上限です。(20年間で最大8,000,000円)
投資ができる期間は2018年~2037年のため、今から始めると残りは約17年。この約17年の間に、年間400,000円を上限に一定の投資信託への投資から得た分配金や譲渡益が非課税の対象になるということです。
※2037年中に購入した投資信託についても20年間非課税で保有できます。
「つみたてNISA」を検討していると、「NISAとはどう違うの?」という疑問も出てくるかもしれませんね。
「NISA」は「一般NISA」と呼ばれることもある、投資を行うための非課税制度です。こちらの新規投資額の上限は毎年1,200,000円、非課税期間は最長5年間。
「つみたてNISA」の方が、少額をコツコツと長期間投資するのに適しています。
「つみたてNISA」と「NISA」は同一年での併用はできないので注意しましょう。
メリットは手間がかからず非課税になること!
「つみたてNISA」がなぜ注目されているのか。それは、やはりメリットがあるからです。メリットについて見てみましょう。
手間がかからない
初心者が投資をするとなると、どのタイミングで買えばいいのかが分からないもの。
こうした理由から投資には手を出せずにいるという人もいるかもしれません。
けれど、「つみたてNISA」は決まったタイミング(毎月など)で自動的に買い付けていきます。つまり、タイミングをとらえる必要がなく手間もかかりません。
もっと安いときに買っておけば良かったという後悔や、買い時と思ったのに一番高いときだったという後悔を避けられますよ。
利益が非課税になる
株式や投資信託などに投資をすると、これらを売却して得た利益や配当には税金がかかります。
売却益や配当金に対して課される税率は20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%)。
※平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に支払いを受ける配当等については、所得税とともに復興特別所得税が源泉徴収されます
1,000,000円増えたなら203,150円は税金を払わないといけないということです。
けれど、「つみたてNISA」の非課税投資枠内なら税金がかかりません。
「つみたてNISA」の始め方
「つみたてNISA」の特徴やメリットを知ったところで、始め方についても見ていきましょう。
金融機関を決める
「つみたてNISA」を始めるには、まずは「つみたてNISA口座」を開設する金融機関を決めなければいけません。
「つみたてNISA」は口座の開設や維持に手数料はかからないので、この点はどの金融機関も同じ条件になります。
注意して見たいポイントは以下の4つ。
(1)積立金額について
どれくらいの金額を投資するかは、人によってさまざま。
制度として年間の上限額は決まっていますが、下限額は金融機関によって異なります。
ムリのない範囲で継続的にと考えると、一回につき3,000円くらいと考える人もいれば、10,000円くらいと考える人もいます。
不安な人は少額からスタートしてみるのもよいですよね。100円~の積立が可能な金融機関もあれば、10,000円~の積立としている金融機関もあるので、自分が考えている積立額とマッチするかを見なければいけません。
(2)積立の頻度
積立と聞くと一般に毎月のイメージがありますが、必ず毎月でなければいけないものではありません。
この点も金融機関によって異なり、毎日積立ができたり毎週積立ができたりする金融機関もあります。
「毎月積立」以外を検討しているなら「毎日積立」や「毎週積立」に対応しているかも見ておきましょう。
(3)商品について
「つみたてNISA」は、金融庁が定めた厳しい条件をクリアした投資信託商品のみが対象となっています。
その数は約200本。
全ての金融機関が、これら200本全てを扱っているわけではありません。どの商品を扱うかは金融機関によって異なります。
目当ての商品を扱っているかを確認しておかなければいけません。もしくは、まだ商品を決めていないから取り扱い商品が多い金融機関にするという視点を持つのも良いですよ。
(4)引き落としについて
手間がかからないのが「つみたてNISA」のメリットのひとつ。
普段使っている銀行口座から、自動引き落としで積立できるかも確認しておきましょう。
つみたてNISA口座を開設する
金融機関を決めたら、「つみたてNISA口座」を開設します。
口座の開設方法は金融機関によってさまざま。ネット証券会社であれば、本人確認書類のアップロードと必要事項の入力で開設できるところもありますし、大手銀行でも店頭だけでなくネット申し込みに対応しているところもあります。
積み立てる金額を決める
年間400,000円の範囲内で積み立てる金額を決めます。
毎月積立なら月々の上限は33,333円。この金額を上限に、選んだ金融機関の積立下限額も考慮しながら金額を決めましょう。
積立金額は変更ができるので、様子を見ながら積立額を増やしたり減らしたりすることもできますよ。
商品を選ぶ
投資初心者は何を選べばよいのかさっぱり分からないということも。
金融庁が指定する投資信託商品の中から選ぶので、不安になり過ぎることはないのかもしれませんが、それでも選ぶ基準が欲しいところですね。
商品を選ぶ際に判断材料のひとつとなるのが、安定を狙うのかハイリターンを狙うのか。
安定した運用を望むなら「複合資産型」、ハイリターンを狙うなら「株式100%型」の商品を検討します。
複合資産型は、株式だけでなく債券や不動産などを組み合わせて利益を得ようとするもので、「バランス型」とも呼ばれています。
「株式100%型」は、すべて株式に投資して利益を得ようとするものです。
「複合資産型」の中にもさまざまな商品があり、それぞれ資産配分が異なります。
株式の割合が多いのか、債券の割合が多いのかなどに注目し、交付目論見書を読んで選ぶようにしましょう。
交付目論見書とは資産配分などが書かれた投資信託の説明書です。
「株式100%型」の中でも、国内株式よりは外国株式(先進国)、外国株式(新興国)の方がリスクは高い傾向にあります。
どの国の株式に投資するのかを決めましょう。
まとめ
お金を貯めることにとどまらず、増やすことを考えると投資も選択肢に入ってきますよね。金融商品への投資で増えた分は20.315%の税金が取られますが、「つみたてNISA」ならこの20.315%が取られずに済むというメリットがあります。
まずは勉強のために少額から始めてみるのもあり。
始め方や商品の選び方など参考にしてみてくださいね。