目次
肩こりは肩甲骨の硬さが原因?
肩こりは、普段の姿勢、目の疲れ、腕の使い過ぎなどさまざまなことによって生じますが、いずれも肩甲骨の硬さが原因にあります。
まずは肩こりを語る上では欠かせない、「肩甲骨」のしくみについてみていきましょう。
そもそも肩甲骨とは
肩甲骨は、背中の上の部分にある骨で、翼のように左右にひとつずつ存在しています。私たちが、腕を高く挙げたり、遠くに伸ばしたりするときに、その動きを助けるのが肩甲骨の役割です。
腕を横に90度挙げた場合、腕の骨である上腕骨(じょうわんこつ)が60度、肩甲骨が30度動くことによって運動が成り立ちます。つまり、肩甲骨は常に腕と連動して動くことによって、肩の自由な動きをサポートしているのです。
肩甲骨が肩こりに及ぼす影響
肩甲骨は鎖骨のみで胴体と繋がっており、肋骨の上に浮いている状態になります。その肩甲骨の位置を保つために支えているのが筋肉になります。
わかりにくいと思うので、鉄棒に人がぶら下がっている状態をイメージしてみてください。握っている手が鎖骨、腕が肩甲骨を支える筋肉、体部分が肩甲骨といった感じになります。
肩甲骨を支える筋肉は全部で17個あり、これらの筋肉が疲労したり、血流が悪くなったりすることで肩こりの症状が現れるのです。
では、肩甲骨の動きが悪くなる原因について見ていきましょう。
肩甲骨の動きが悪くなる原因
肩甲骨の動きが悪くなる原因は、その人の生活習慣や動きのくせなどさまざまです。その中でも特に日常生活の中で起こりやすい原因について見ていきましょう。
猫背姿勢
デスクワークやスマホ操作で見られやすい猫背姿勢は、肩甲骨の動きを悪くしてしまいます。猫背姿勢は、肩甲骨が常に外側に開いた状態になり、それが長時間になると筋肉が疲労してきます。筋肉が疲労すると血流が悪くなり、柔軟性が失われてしまうため、肩甲骨の動きが悪くなってしまうのです。
腕を動かす頻度が減る
運動不足などで腕を動かす機会が減ると、肩甲骨も動く機会が減ってしまいます。筋肉は動く頻度があまりにも減ってしまうと柔軟性が失われるため、結果的に肩甲骨の動きが悪くなってしまうのです。
いつも同じ腕で荷物を持つ
重たい荷物をいつも同じ方の腕で持ち続けていると、肩甲骨は常に下に位置することになります。すると、支えるための筋肉は伸ばされた状態となり、力が入りにくくなったり、縮むことができなくなったりして、肩甲骨の動きが悪くなってしまうのです。ショルダーバッグなども要注意です。
肩甲骨はがしとは?
肩甲骨はがしとは、肩甲骨に付いている筋肉を伸ばしたり、ほぐしたりして肩甲骨の動きを良くすることをいいます。実際にベリベリっとはがすわけではありませんが、肩甲骨の可動域を広げて、こりや痛みを和らげる効果が期待できる体操方法です。
簡単に行える肩甲骨はがしストレッチを紹介していきますので見ていきましょう。
肩甲骨はがしストレッチ(1)
両手を上に挙げます。
その位置から両手でアルファベッドの「W」を描くように肘を脇腹に近づけます。
このとき、胸を張ったまま、肩甲骨を内側に寄せるようにして行うのがポイントです。
5秒かけて、肘を脇腹に近づけて、また5秒かけてバンザイの位置に戻します。
これを10回行います。
肩甲骨はがしストレッチ(2)
両手を前ならえするように、前に伸ばします。この位置から、手を遠くに伸ばすように真っ直ぐ突き出し、また元の位置に戻します。
このとき、肘を曲げず、上半身が前後に動かないよう、肩甲骨だけで動かすのがポイントです。5秒かけて前へ伸ばし、また5秒かけて後ろに引くのを10回行います。
肩甲骨はがしストレッチ(3)
頭の後ろで両手を組みます。大きく息を吸いながら、肘を開いて胸を張り、肩甲骨を内側に寄せます。
次に息を吐きながら、両肘を合わせるようにして、背中を丸め、肩甲骨を外に引き離します。呼吸のタイミングに合わせて、それぞれ5回ずつ繰り返します。
肩甲骨はがしストレッチ(4)
頭の後ろで手を組み、体を横に側屈します。肩甲骨の外側から脇腹が伸びていることを感じながら、20〜30秒ゆっくりとストレッチします。
これを左右ともに行います。
肩甲骨はがしストレッチ(5)
壁に向かって両手を上に広げます。
壁から手を離すように、腕を後ろに引き、5秒キープして、壁に手を戻します。
このとき、肩甲骨を寄せるよう意識し、上半身が前後に動かないようにして行うことがポイントです。
これを10回繰り返します。
つらい肩こりには肩甲骨の動きの改善を
これまで紹介してきたように、肩こりには肩甲骨の動きを改善することが重要です。普段はあまり意識して動かすことのない肩甲骨ですが、これをきっかけにじっくりと動かしてみてはいかがでしょうか。
今回は自宅でもオフィスでも簡単に行える「肩甲骨はがしストレッチ」を紹介しました。ぜひ試してみてください。