猫の健康を管理するには日々の観察が大切です。見た目はもちろん、触れてみて痛がったりしないかなどを確認しましょう。
また日常的な行動も意識して体調をチェックしてあげてくださいね。
【1】体のケア
まずは鼻水やよだれ、涙が出ていないか(目やにが多い、目が充血している)などの見た目の変化を確認してください。
また脱毛している部分がないか、しこりがないか、触ると痛がる部分がないかを、猫とスキンシップを取りながらチェックしましょう。
【2】飲水量&食事量
猫の場合、1日の給与量を守っていれば、食事の回数にそれほどこだわらなくてもOK。
好きな時に少しずつ食べる“ダラダラ食べ”でも大丈夫だといわれています。
ただ以前よりも食事の量が増えても減っても病気の疑いがあります。
高齢猫の食事の量が増えている場合は糖尿病や機能亢進症の可能性もあるので、注意して観察しましょう。
1日につき約3kgの猫で約160ml、約4kgの猫で約200mlの水を飲むそう。
普段の2倍の水を飲んでいる場合や一晩で大量の水を飲むことが続くようなら早めに動物病院へ連れて行きましょう。
慢性腎不全や糖尿病の疑いがあります。
すい臓や肝臓など、どこかで炎症を起こしている場合も水分をたくさん摂るようになります。
【3】体重
猫の体重は年齢の経過とともに変化するので、定期的に体重を測定しましょう。
減量させていないのに3カ月で体重が5%減少するのは要注意です。
また太りすぎにも注意しましょう。
ねこにも個体差があるので、体重だけを見て痩せすぎや太りすぎを判断するのは難しいのですが、体型が適正かどうかを指標する「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」で確認することができます。
「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」では、猫を上から見た時の体型を「痩せすぎ」から「太りすぎ」までの5段階に分けて判断しています。
ボディ・コンディション・スコア
・BCS1(痩せすぎ)
肉眼でも骨の輪郭をしっかりと確認できる。触ると脂肪がなく、筋肉量も明らかに不足している
・BCS2(痩せ気味)
肋骨がごく薄い脂肪に覆われ、触ると肋骨がはっきりと認識できる。腰にくびれがあり、腹部がへこんでいる
・BCS3(理想体重)
体に触れば肋骨がわかる程度。腰に適度なくびれがあり、腹部はごく薄い脂肪に覆われている
・BCS4(太り気味)
全体的に肉付きが良く、肋骨に触るのが難しい。腰骨や臀部に脂肪が目立ち、腰のくびれはほとんどない
・BCS5(太りすぎ)
腰のくびれが全くなく、厚い脂肪に覆われていて膨らんでいるように見える
【4】体温
猫の平熱は37.5~38℃程度と人間よりも高めです。
ストレスを感じている場合は体温が上昇することがありますが、安静時に39℃以上あるときは発熱している可能性があります。
動物病院ではお尻に体温計を入れて測ったりしますが、自宅で検温する機会はなかなかないですよね。
ペット用の直腸体温計や耳式体温計が市販されていますので、こちらを使って測定しましょう。
耳式体温計の方が自宅では測りやすいと思います。
日ごろから耳にも触れるようにして、通常の体温を知っておくことも大切です。
【5】呼吸
猫は通常は鼻呼吸をしています。猫の呼吸数の基準値は1分あたり24~42回といわれています。
安静時の猫のお腹を15秒間観察し、4倍にすることで1分あたりの呼吸数を計測できます。
猫の呼吸が早い場合、何らかの病気が隠れていることがあります。
また犬のようにハァハァと口を開けて呼吸をしているときは呼吸困難の前兆であるケースも。
少し運動しただけで口呼吸をしているときは、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
【6】心拍数
猫の心拍数は安静時で1分あたり100~160拍程度が正常といわれています。
心筋症などの病気があるときは心拍数が早くなるそう。
猫がリラックスしている状態の時に胸に手を当てて鼓動を数えましょう。
呼吸数と同じく、15秒間観察し、4倍にするといいでしょう。
心拍数の測り方
・後ろ足の付け根の内側中央部よりやや上の大腿動脈に指を当てる
・心臓の拍動は肘の後ろの胸部に手を当てる
・首に手を当てる
・胸に耳を当てて心拍数を直接聞く
・聴診器を使って測る
【7】排泄
うんちやおしっこは猫の健康状態を把握するのに大切なバロメーターとなります。
下痢や便秘をしていないか、うんちの色や量、ニオイに変化はないか、回数や量が増えたり減ったりしていないかを確認しましょう。
また頻繁にトイレへ行くのにおしっこが出ない、おしっこをするときに痛がって鳴く、血尿が出るなどの症状は膀胱炎や尿結石の可能性があります。
健康的なうんち
・1日1回以上
・硬すぎず軟らかすぎず(硬くて小さなボールのようなうんちは便秘のサイン)
・暗褐色(黒すぎると血が混じっていることも)
健康的なおしっこ
・1日1〜3回
・薄い黄色
・体重1kgあたり50ml以下
まとめ
今回は自宅でできるチェック方法を紹介しました。少しでもおかしいと思うことがあったら、早めにかかりつけの動物病院へ連れて行きましょう。