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安眠方法を知って睡眠の質を上げよう!ぐっすり寝られる寝室環境とは?

安眠方法を知って睡眠の質を上げよう!ぐっすり寝られる寝室環境とは?

人間の一生は、3分の1が睡眠時間とも言われています。毎日を元気に過ごすためにも睡眠はとても大切。そして快適な睡眠のためには自分に合った寝室環境が欠かせません。さまざまな安眠方法を試すとともに、土台となる部屋の状態や寝具を見直してみましょう。

睡眠の大切な働き

副交感神経優位になると眠くなりリラックスした気分に

交感神経と副交感神経

脳の中心部に近い視床下部と呼ばれる場所に、眠ったり起きたりといった活動を司る部分があることはご存知でしょうか。神経には、自分の意志で身体を動かせる随意神経系のほかに、意志ではコントロールできない不随意な神経系があります。

そのうちのひとつがいわゆる自律神経。交感神経と副交感神経の2つからなり、身体をとりまく環境やストレス、感情に応じて身体を状況に適した状態にする働きをしています。

交感神経は活動時に活発になる神経。仕事中にシャキッとした頭で話に集中したり、運動時に何も考えなくても心拍数や呼吸数をあげてくれるのは、交感神経のおかげです。反対に副交感神経はリラックス状態の時に優位になる神経で、外界の情報を程よく遮断して眠気を起こし、やわらいだ気持ちにさせてくれます。

とはいえ現代では照明や娯楽など、夜遅くまで活動が続けられる技術が発達しており、交感神経が優位になりがちで、眠りに悩みを抱える人が増えています。
お風呂やヨガ、眠る前のルーティンなど安眠方法は多々ありますが、眠りの根本を支えているのは寝室環境。寝具や部屋の状態を整えるのは手間がかかるものの、期待できる効果も大きいため、整える価値は十分にあると言えるでしょう。

元気な活動のための睡眠

寝室環境を考える時に大切なのは「眠るために眠るのではなく、明日元気に過ごすために眠るのだ」という視点です。人間が元気に活動するためには、どうしても休息が必要です。しかし眠るのは基本的に疲れをとるためであって、ただひたすらに快適性や楽しさを追求すれば良いということではありません。
たとえばベッドのすぐそばに、大きな音の出るスピーカーを備えた大画面テレビと、寝転がったままでもお菓子が食べられるミニテーブルがあったらどうでしょうか。とても楽しそうですが、眠る時にも音や映像の刺激を受けやすい環境である上に、睡眠直前の食事は消化にも悪く、良い寝室環境とは言えません。
「すべての安眠方法は元気な活動のためにある」という基本を、今一度頭に置いておく必要があります。

安眠のために!見直したい寝室環境5つ

人間が安眠できる寝室環境については、ある程度目安がわかってきています。すでに実践している安眠方法にプラスして、部屋や寝具の状態を今一度チェックしてみてください。

(1)部屋の温度・湿度・明るさ

エアコン

安眠できる部屋の温度は、おおむね20℃~23℃とされています。ただし季節による変化を考慮に入れる必要があり、夏場は28℃、冬場は18℃程度でも快適さに問題がない場合もあります。これは季節によって多くの人が寝具を変えるためです。夏は通気性の良い薄手の布団やタオルケット、冬は保温性の高い羽毛布団や毛布を使っている人も多いのではないでしょうか。
安眠方法を実践する際に大切な要素として、部屋の環境とは別に寝床内の環境があります。快適に眠るためには、年間を通じて布団の中の温度を33℃前後に保っておくと良いでしょう。

続いて部屋の湿度は、湿度の高い夏で60%、湿度の低い冬なら40%を目安に調整するのがおすすめです。エアコンの除湿機能や除湿機、加湿器を活用しましよう。
布団の中では湿度50%を保つのが理想的です。

ベッドルーム

人間の身体は周囲が明るいと日中だと判断し交感神経が優位になる性質、つまり活動状態になる性質があります。眠る1時間前から30分前には部屋の照明を落とし、間接照明に切り替えるなどして「もう眠る時間だよ」と身体に合図を送りましょう。眠る時にはさらにもう1段階明るさを落とします。
これを明るさの単位「ルクス」で表すと、眠る前が10.0ルクス、眠る時が0.3~1.0ルクスとなります。耳慣れない単位なのでピンときませんが、目安として暗い部屋でろうそくの灯りの近くにいる状態が10ルクス、暗い道に月明かりが出ている状態が0.5ルクスです。
部屋を暗くしても、窓から外の灯りが入ってくると意味がないので、必要に応じて遮光カーテンを取り入れましょう。

●ポイントまとめ
・部屋の温度は20℃を目安に18℃~28℃、湿度40~60%
・布団の中は温度33℃、湿度50%
・就寝時間の少し前に10.0ルクスに落とし、就寝時は1.0ルクスに

(2)自分にあったマットレスの選び方

マットレスは安眠のための重要アイテム
安眠方法として、寝具選びはとても大切です。特に眠っている間に身体を支える敷き寝具は重要アイテム。もっとも値が張りやすい寝具でもありますが、どれかひとつを変えるならマットレスから始めましょう。ポイントはサイズと体圧分散です。

まずはマットレスの幅は少なくとも肩幅プラス30cm以上のものを選びましょう。寝返りを打った時に幅に余裕をもたせるためです。2人で眠る場合も同様で、2人分の肩幅に30cmずつをプラスして考えます。
長さについては、195~200cmほどある一般的なマットレスを購入すればおおむね問題ないはずです。しかし、足もとにも最低30cmのゆとりが必要なので、高身長の人はロングサイズも検討しましょう。

続いて体圧分散です。平らな場所に横になると、人間の体重の約半分は腰に集まると言われています。マットレスがあっていないと、腰痛など身体の不調の原因になることも。寝転んだ時に、背中から腰にかけてが自然なS字カーブを描く、柔らかすぎず硬すぎないマットレスが理想的です。実際に試さずに自分に合ったマットレスを探すのはとてもむずかしいので、できるだけ寝具店などを訪れ、感触を確かめてから購入しましょう。

最後に、耐用年数もチェックポイントです。どんなに高級なマットレスでも、毎日使ううちに少しずつくたびれていきます。10年以上同じマットレスを使っているなら、買い替えを検討しましょう。安価なものはそれよりも早くくたびれることがあります。

●ポイントまとめ
・マットレスのサイズは肩幅と身長プラス30cm
・体圧を分散し楽に眠れるものを
・マットレスの寿命も考えて

(3)掛け布団は季節ごとに変えよう

季節に応じて替えたい掛け布団
エアコンで部屋の温度を1年中一定に保つことは可能かもしれませんが、電気代がかかりますし、建物によってはどうしても外の気温の影響を大きく受けます。季節ごとに掛け布団を切り替えるのも安眠方法のひとつです。

室温の移り変わりを目安に布団を切り替えると良いでしょう。たとえば、真冬(~10℃)は羽毛布団+毛布、真夏(25℃~)はタオルケット、それ以外の季節(20℃前後)は綿布団といった具合です。合掛け布団や毛布など、その日の室温に応じてかけたり外したりがしやすい掛け布団があると便利です。

●ポイントまとめ
・綿布団や合掛け布団を基本に
・真冬は羽毛布団や毛布、真夏はタオルケットを活用

(4)枕の選び方も大切

枕は自分の頭の形と好みに合ったものを
人の後頭部から首、背中にかけての形は一人ひとり違っています。また、仰向き寝か横向き寝かについても個人差があります。だからこそ、枕の選び方も安眠方法を考える上でとても大切なのです。

枕の形と素材は寝心地を左右します。形については、まずどんなポーズで寝たいかを考えましょう。仰向きで寝たい人は首がゆるやかなS字カーブを描くものを、横向きで寝たい人は首がまっすぐに保たれるものを選びます。

フィット感を決める素材も大切なポイントです。「旅先で枕が変わると眠れない」という人がいるのは、枕がそれだけ寝心地を決めている証拠。ふんわり包み込まれたいなら羽毛、どっしり支えられたいならそば殻やパイプがおすすめです。
最近は身体の形に自然にフィットする低反発ウレタンフォーム素材のものも増えてきました。ただし低反発ウレタンフォームは、基本的に水洗いができず、長期使用で劣化しやすいなどの弱点も備えています。数年で買い換えるものだと割り切って使うのが良いかもしれません。

良い枕と言えばオーダー枕がまっさきに思い浮かぶかもしれませんが、最近は「横向き寝用」「いびき防止用」などバラエティ豊富な枕が販売されています。自分の悩みに合わせて検討しましょう。

(5)安眠を遠ざける習慣を断ち切ろう

寝床にスマホを持ち込むと安眠の妨げに
当然と言えば当然のことですが、安眠しやすい環境を整えると同時に、安眠を妨げる行動を改めていくことも重要です。寝る前に熱いお風呂に入る、重い食事をする、テレビやPC・スマホなどから刺激を受け続ける、といった行動は避けることをおすすめします。
環境と行動の両面から、自分だけの安眠方法を少しずつ完成させていきましょう。

まとめ

それまでは特に睡眠に問題がなかったのに、いつの間にか眠りの質が悪くなっていることは、ままあることです。
そんな時は、季節の移り変わりや寝具の劣化によって、寝室環境が悪化しているのかもしれません。寝床は人生の中でも長い時間を過ごす場所なので、ぜひ快適な環境づくりを試してみてくださいね。


ライター

てんむす

大阪府生まれ京都府在住。生き物と食べ物が好き。2019年に行ったドイツ旅行で大きな博物館とおいしいグミに感激し、ドイツ語を勉強中です。

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