目次
- 覚えておきたい日本酒の種類
- 【1】「純米酒」:しっかりとしたお米の風味
- 【2】「本醸造酒」:スッキリとした風味
- 【3】「吟醸酒」:フルーティーな風味
- 「本醸造酒」と「吟醸酒」の違い
- 初心者でも飲みやすい日本酒の選び方
- (1)原料米
- (2)精米歩合
- (3)日本酒度
- (4)酸度
- 【きき酒師厳選】日本酒初心者や女性におすすめの銘柄9つ!
- 1.酒蔵×ワイナリーによる新しい日本酒「FUSION」
- 2.ミルキーで深みのある「奥 THE MOON 半月」
- 3.東京に蔵を構える新進気鋭ブランド「WAKAZE」
- 4.味わいを音で表した「華鳩 味覚音」
- 5.日本酒をブレンドした「百十郎 くだもの 完熟パイン」
- 6.見た目通りの爽やかな味わい「雁木」
- 7.旨味と甘み、酸味のバランスがとても良い「七田」
- 8.仕事終わりの晩酌に「賀茂金秀」
- 9.日本酒デビューにピッタリ!スッキリきれいな「〆張鶴」
- 【豆知識】日本酒の正しい保存方法とは?
- お気に入りの味を見つけて、おいしく日本酒を楽しもう!
「日本酒は種類が多くて違いがよくわからない」と感じていませんか?
そこで今回は、日本酒の基礎知識とおすすめの銘柄を紹介します!
晩酌の楽しみを広げたり、プレゼント選びなどに役立ててくださいね。
覚えておきたい日本酒の種類
まずは日本酒の種類について見ていきましょう。
日本酒の種類は大きく分けると「純米酒」、「吟醸酒」、「本醸造酒」の3つになります。
【1】「純米酒」:しっかりとしたお米の風味
「純米酒」の原料はお米と水、米麹のみ。まるで炊き立てのお米のような香りや甘み、濃厚なコクを感じられるのが特徴です。
【2】「本醸造酒」:スッキリとした風味
「本醸造酒」は上記3つに加えて、主にサトウキビを原料とした醸造アルコールが添加されます。お米の雑味が抑えられて爽やかな口当たりになります。
【3】「吟醸酒」:フルーティーな風味
「吟醸酒」の原料は「本醸造酒」と同じですが、後に解説する製法の違いによって生まれるフルーティーな香りが特徴です。
「本醸造酒」と「吟醸酒」の違い
「本醸造酒」と「吟醸酒」の違いはまず「精米歩合」(後に説明)です。「本醸造酒」は70%以下、「吟醸酒」は60%以下と決められています。
もう1つは製法です。「吟醸酒」は「吟醸造り」といわれる製法で、磨いたお米を低温で長期間発酵させます。この製法によりフルーティーで華やかな香りが生まれます。
同じ製法で、精米歩合50%以下のものは「大吟醸酒」になります。
「吟醸酒」と「大吟醸酒」が比較的飲みやすく、初心者や女性におすすめです。
初心者でも飲みやすい日本酒の選び方
次に、日本酒の味を見分ける目安となる“要素”について見ていきましょう。以下4つの要素の基準を覚えておけば、選ぶ楽しみも増えますよ。
(1)原料米
原料米とは、原料として使われているお米のこと。有名なのは「山田錦」、「五百万石」、「美山錦」、「雄町」の4大酒米です。中でも「山田錦」、「五百万石」、「美山錦」は軽快な造りで、初心者さんも飲みやすいでしょう。
(2)精米歩合
精米歩合とは、お米の削り具合を表した数値です。
食用米の精米歩合は約90%、10%ほどを削っているということです。
お米は磨けば磨くほど雑味が取れるため、精米歩合の数値が低いほどスッキリと飲みやすくなります。初心者さんは60%以下のものを選ぶといいでしょう。
(3)日本酒度
日本酒度とは甘口と辛口を分ける指標で、プラスになるほど辛口、マイナスになるほど甘口になります。甘口は甘く、辛口は辛いというよりは甘くない風味です。
平均値は0~+5ですが、感じ方は人によって異なることも多いようです。
初心者さんはまず平均値を基準に、甘口のものから選んでみるといいでしょう。
(4)酸度
酸度とは酸味や旨味を示す指標で、平均値は1.3。数値が高くなるほど辛口に感じられます。
酸度は日本酒度と合わせて見る必要があります。
例えば、日本酒度が低く甘口のものでも酸度の数値が高いと甘みが打ち消されて辛口になるため、初心者さんは「酸度の低さ」を一つの目安にするといいでしょう。
【きき酒師厳選】日本酒初心者や女性におすすめの銘柄9つ!
日本酒の味を見分けるポイントがわかっても、いざ選ぶときには迷ってしまいますよね。
そこで今回は「エディオンなんば本店」6階にある「日本酒店」で聞き込み!
「日本酒店」のスタッフで「きき酒師」の資格を持つ松浦義篤さんに、飲みやすくて見た目もおしゃれな銘柄をピックアップしていただきました!
「職人さんの手によって生まれる味の違いに日本酒のおもしろさがあるので、ぜひいろいろ飲み比べてみてください」と松浦さん。
1.酒蔵×ワイナリーによる新しい日本酒「FUSION」
ワイン樽に日本酒を入れて熟成させた“樽熟成日本酒”。
今回ピックアックした2本はどちらも赤ワインの香りと色合いがマッチした、上品かつリッチな味わいが楽しめます。
一樽につき作り出せるのは300本前後で、ワイン樽の状態もその時々によって変わるため、二度と同じ味に出会えない貴重さもこのシリーズの醍醐味。
不定期出荷のため、見つけたら買い逃しのないように。
2.ミルキーで深みのある「奥 THE MOON 半月」
熟成度の違いで「満月」、「半月」、「三日月」と3種あるうちの「半月」をピックアップ。
約四ヶ月半冷蔵庫で熟成させた生酒で、和梨やメロンのような香りとトロリとやわらかい口当たりが特徴。冷はもちろん、燗にするとお米本来の旨味をより感じられるのだそう。
3.東京に蔵を構える新進気鋭ブランド「WAKAZE」
2016年設立、2年後に東京に自社醸造所を構えた日本酒ブランド「WAKAZE」。ワイン樽で熟成させた甘口の「ORBIA」や、ボタニカル素材を使った「FONIA」、「FONIA tea」といった新感覚の日本酒を開発しています。
中でも「FONIA」は、レモンやユズによるスッキリとした甘酸っぱさが特徴で、とても飲みやすい味わいなのだそう。
4.味わいを音で表した「華鳩 味覚音」
飲んだイメージを音で表現した、おもしろいネーミングの日本酒。
また~んと甘さがきた後に微発泡のチリチリ感があり、最後にじわ~んと余韻が広がります。青りんごやメロンを思わせる優しい香りが特徴です。
5.日本酒をブレンドした「百十郎 くだもの 完熟パイン」
ワイン樽で熟成させた日本酒をベースに、酸味の強い日本酒をブレンドして仕上げたユニークな逸品。名前の通り、パイナップルのようなとてもジューシーな味わいが楽しめます。
6.見た目通りの爽やかな味わい「雁木」
世界規模のワイン品評会「IWC 2020」の「SAKE」スパークリング部門にてゴールドメダルを受賞した一級品。
見た目通り夏らしくて爽やかな風味は、乳性炭酸飲料のよう。毎年すぐに完売してしまうほど人気なのだそうです。
しっかり冷やして夏の一杯に。
7.旨味と甘み、酸味のバランスがとても良い「七田」
旨味と甘み、酸味のバランスがすごく良いと松浦さんが称賛する1本。生の純米吟醸ならではの発泡感や華やかな香り、しっかりとした味わいが特徴。やや辛口ですが「女性の方にも飲みやすいと思います」とのこと。
8.仕事終わりの晩酌に「賀茂金秀」
仕事終わりの晩酌として、毎日飲んでも飽きがこないフレッシュさが魅力。旨味がありながらキレの良い後味です。
甘くないお酒が好きという方に特におすすめ。
9.日本酒デビューにピッタリ!スッキリきれいな「〆張鶴」
初心者の方の入門編として松岡さん一押しの日本酒。
とてもみずみずしくクセを感じさせないきれいなお酒で、辛口ですが冷やして飲むとスッキリ爽やかな風味が際立つのだそう。
【豆知識】日本酒の正しい保存方法とは?
日本酒の保存方法は要冷蔵と常温保存、種類によって異なります。
要冷蔵のものは開封前・後問わず冷蔵庫へ、常温のものも開封後は冷蔵庫で保存すると味の変化を抑えられるそう。
日本酒は「日光」と「空気」に弱いため、この2つには特に注意しましょう。
お気に入りの味を見つけて、おいしく日本酒を楽しもう!
今回紹介した中だけでもさまざまな味わいが楽しめる日本酒ですが、アルコール度数は比較的高めになります。
そのため、日本酒を飲む際にはゆったりペースで飲むことと、和らぎ水(チェイサー)を用意することを忘れずに。
女子会などで楽しみながら飲みたいときには
・みぞれ酒(冷凍庫で凍らせてシャーベット状に)
・柑橘類のジュースやソーダで割る
といったアレンジ方法も試してみてはいかがでしょうか?
お気に入りの味を見つけて、おいしく日本酒を楽しんでみてくださいね。
※価格はすべて2021年5月13日現在の価格です。詳細は店舗へ問い合わせを