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※新型コロナウイルス感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉・密集・密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
みなと通りに沿って少し歩くと、スクラッチタイルの外壁、大きなアーチ窓や丸窓に目を引かれる昭和10年築のレトロビル、「天満屋ビル」が現れます。大阪市の“都市景観資源”にも登録されている昭和初期のレトロモダン建築です。
グラフィックデザイナーだった奥さまが、通勤途中の電車から見ていた「天満屋ビル」の姿に魅せられて、2002年に「お茶と雑貨の店ハaハaハa」としてオープンした同店。2010年にはジュエリー職人のご主人の工房も併設し、ご夫婦で切り盛りする洋食カフェ「ハaハaハa HayashiRice&Jewelry(ハハハ ハヤシライス&ジュエリー)」として再スタートしました。
特に週末は観光客など多くの人が利用し、親しまれているお店です。
不動の人気は名物「オムハハハヤシライス」
同店の名物メニューでもあり多くの人がオーダーする「オムハハハヤシライス」(950円)。特製デミグラスソースのハヤシライスとふわふわの半熟卵を組み合わせたひと品です。お店に入った瞬間、昔ながらの洋食屋さんのようなデミグラスソースのいい匂いが……。あらかじめ、これを食べよう! と決めて来店する人も多いですが、この香りにますます胸が高鳴るはず。
じっくり炒めたたっぷりの淡路島産玉ねぎと牛カッパ肉を赤ワインで煮詰めて作られるデミグラスソース。スパイスと、小麦粉の代わりに、焙煎したオーツ麦を加えた特製ソースは独特の甘みとフルーティーな酸味、ほろ苦さが感じられ、コク深い味わいの大人のハヤシライスに。香ばしいトロトロソースと、ふわふわ卵のやさしい食感の組み合わせは忘れられない味になりそう。
中のご飯も白ご飯ではなく、煮込み途中のハヤシソースを取り出し、トマトソースを加えて丁寧にペースト状にしたものを混ぜ込むという、こだわって手間暇かけた自慢の堂々たる看板メニュー。
もっとダイレクトに香ばしい特製ソースの深みを堪能したい方は、卵なしのスタンダードな「ハハハヤシライス」(900円)を。
ふわふわ卵を合わせた「オムハハハヤシライス」が誕生する2013年まで、看板メニューの座を守ってきた歴史あるひと品でもあります。
自家製ポルケッタの「クラブオムサンド」
こんがりと香ばしくトーストされた食パンに、ポルケッタ(豚肉の香草焼き)とチーズや野菜を卵で包んでサンドした「クラブオムサンド」(950円)も、歴史のあるメニューです。当初のものから、卵でこだわりの具材を包む同店ならではの個性派サンドに生まれ変わり、ボリュームもアップ。
ハーブで巻き込んだ豚肉の塊をオーブンで焼き上げ、赤ワインで圧を加えて仕上げる自家製ポルケッタは分厚くスライスされ、豚肉のほどよくジューシーな甘みと、しっとりした食感をしっかり堪能できる本格派。
軽食メニューかと侮っていたら、その本格的な味わいとボリュームに驚くかも……。
特製ハヤシソースにゆで卵とチーズを乗せた「たまごピザトースト」(500円)や、自家製レモンカードをたっぷり塗った「レモントースト」(400円)など、トーストメニューもオリジナリティが光ります。
個性的な形のカップやお皿も楽しめるティータイム
定番の「チョコレートケーキ」(400円)のほか、季節のフルーツなどを使ったケーキは、常時4種類から選べます。
「ゆずのチーズケーキ」(400円)は、ベイクドタイプで濃厚なチーズの風味はしっかりと感じつつも、ゆずの香りと風味でさっぱりとした後味です。
どこか懐かしさも感じられる手作りケーキはもちろん、一つひとつ違った表情のコーヒーカップや陶器の小物、ケーキ皿などのアイテムは、レトロな空間のムードを高め、ほっこり癒されるティータイムを過ごせます。
“空飛ぶドライブスルー”が斬新過ぎると話題
同店ではテイクアウトの他、ドライブスルーにも対応されているのですが、その方法が一風変わっていると話題に。2階にある店舗からどうやって地上で受け渡しするのかというと……
2階の窓から紐でカゴを下ろして代金やオーダー品の受け渡しをするという方法で、その名も“ドライブするぅU-Drive Thr-U”。人力のアナログさを逆手にとった斬新なアイデア! “U"を強調しているのは、車は通り抜けできず、奥の駐車スペースでUターンして車道に戻るからだそう。
ソーシャルディスタンスの確保や自粛生活による閉塞感の中、少しでも楽しんでもらいたいと2020年5月に始められたサービス。人との距離感に寂しさを感じてしまうこともある現在の状況下で、そんな距離感までも楽しませてくれる見事な発想の転換です。
自転車や徒歩でも利用できるので新感覚の“体験型テイクアウト”を楽しんでみては。