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【PMS】生理前の眠気の原因は?スッキリさせる方法を薬剤師が解説

【PMS】生理前の眠気の原因は?スッキリさせる方法を薬剤師が解説

その眠気、月経前症候群(PMS)かも?どんなに寝ても、まだ眠い……。このような悩みで困ってはいませんか?眠気の原因が生理周期であれば、改善できる方法はあります。そこで今回は、生理前の眠気解消におすすめの方法をいくつかご紹介します。

夜たっぷり寝ても、昼間ウトウト

眠そうな女性

PMSによる眠気を経験している女性は多い

女性の生理前に起こるさまざまな不調のことを、月経前症候群(PMS)といいます。
その内容や程度は人により、腹痛、肩こり、頭痛、イライラ、眠気など実にさまざまです。

PMSは、多くの女性に起こります。生理の1週間前ごろから始まり、生理が開始すると、自然に症状がなくなることが多いのが特徴です。

PMSの中でも、眠気は多くの女性に見られます。
人によっては、睡眠薬を飲んだのと同じくらいひどい眠気を感じる方もいます。

今回、ご相談いただいた由美子さん(仮名)32歳もその1人。異常なまでに感じる眠気に、怖い体験をしたそうです。

●PMSの眠気で危うく居眠り運転

【由美子さんのエピソード】
「学生時代から、生理前の眠気には悩まされてきました。前の晩、どんなに寝ても、次の日必ず眠くなる。永遠に眠れる気がするんです。授業中もよくウトウトして先生に注意されてました」

社会人になってからもこの眠気は続いたそうです。

「朝起きるのもつらくて、日中は眠い。夜はなかなか寝つけない……。仕事も集中できなくて困っていました。でもそれだけではなく、ついこの間、とても怖い思いをしたんです」

外回りの営業で、車を運転することが多いという由美子さん。運転中も、いつものひどい睡魔に襲われ、居眠り運転をしそうになったといいます。

「この異常な眠気は、日常生活に支障があるどころではありません。でも生理は毎月やってくるし。解決方法ってあるんでしょうか」

どうして生理前に眠くなるの?

横たわる女性

PMSで眠気がひどくなる理由に、女性の生理周期によって分泌される、エストロゲンとプロゲステロンというホルモン物質が関係しています。

排卵後から生理直前まで(黄体期)に、プロゲステロンが急激に増え、分解されると、眠気を起こす物質(アロプロゲステロン)が発生します。

また、この黄体期は基礎体温の高温期にあたります。体温の変動が少なく、体温が高めの状態が続くこともあって、日中ボーッとしたり、眠くなったりします。

さらに、ホルモンバランスの変動が影響して自律神経が乱れるため、夜に寝つきにくくなったり眠りが浅くなったりしてしまいます。

このような理由から、生理前は異常な眠気を起こしてしまうのです。

これでPMSによる眠気スッキリ!おすすめ方法3選

ハーブティー

生理前の眠気は、普段の生活に取り入れるものを少しだけ工夫すれば、簡単に改善できます。

【1】軽く仮眠をとる

自律神経が乱れている生理前の女性にとって、夜に質のよい睡眠をとることは、そう簡単ではありません。

どうしても日中眠くなってしまう場合は、仮眠をとると効果的です。
ただし、深い眠りに入ってしまうと、仮眠から目覚めてもまだ、ぼんやりした状態が続くことがあります。

仮眠をとるときは、完全に横になって眠るのではなく、背中を倒す角度を60度程度にとどめておきましょう。あるいは、デスクにうつぶせになるようにして仮眠をとりましょう。

そして、仮眠する時間はできるだけ15時までに、時間は「20〜30分まで」と決めて仮眠をとりましょう。

【2】ハーブティーを飲む

PMSによる眠気解消には、ハーブティーを飲むのもいいでしょう。
おすすめは、ホルモンバランスを整える効果が期待できる「チェストツリー」です。
また、すっきりする香りで眠気覚ましの効果が期待できる「レモングラス」「ペパーミント」もおすすめです。

ハーブティーを入れるときは、ティーバッグを入れたマグカップにお湯を注ぎ、蓋をして10分ほど蒸らしてから飲むのがポイントです。
蒸らしながら入れることでハーブのエキスがじっくり抽出され、眠気解消の効果アップが期待できますよ。

【3】漢方薬を取り入れる

乳鉢と乳棒

「PMSによる眠気を根本から改善したい」
そんな方には漢方薬で体質改善をめざす方法がおすすめです。

漢方薬の特徴は、さまざまな不調は全身のバランスの乱れから起きていると捉えている点です。ですから漢方薬や養生で、乱れたからだのバランスをととのえて自分自身の治る力(自然治癒力)を高めることで、健康へと導くのです。

漢方

漢方では、からだは、「気」「血」「水」という3つの要素成分で成り立っていると考えられています。
そして、漢方薬は「気の乱れからくる頭痛」「血の流れが滞ることによる肩こり」「体内に水が停滞することからくる疲労感」などを、バランスを整えることで改善に向かわせる効果があるとされています。

このことは、PMSによる不調の原因を根本から改善することになりますので、PMSにおけるさまざまな不調の改善につながるというわけです。

漢方では、PMSによる眠気は、気の巡りの滞りが原因であると考えられています。

■PMSによる眠気にお悩みの方におすすめの漢方薬

  • 加味帰脾湯(かみきひとう)
    血色がわるく、疲れやすい方に
    血を補い、気をめぐらせることで、精神を落ち着つかせ、不安、眠気を改善します。また、血が不足している貧血にも用いられます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
    肩がこり、疲れやすく、精神不安やイライラがあり、眠れない方に
    交感神経の高ぶりを抑えて、イライラ、不眠症などの神経症状によく用いられます。また、血の巡りを促すことで、ホルモンバランスを整えイライラやのぼせを鎮めます。

■漢方薬を選ぶ際の重要なポイント
漢方薬は、体質や症状に合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるためには、漢方に精通した薬剤師の力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

PMSの眠気を解消して、昼間もスッキリ

リビングでお茶をする女性

仕事や日常生活に支障をきたすほどの眠気でも、PMSによるものであれば、日々の生活を意識するだけで改善できる可能性があります。
生理前の眠気だからと諦めず、毎日をスッキリした気持ちで過ごしましょう。

  • この記事の監修
  • 薬剤師の白倉みか
  • 薬剤師 白倉みか
    横浜、都内で病院薬剤師として12年間勤務。アロマテラピー検定一級。漢方養生指導士。仕事と結婚・出産・育児といったライフイベントとの両立の大変さを体感。自らの経験から、働く女性に寄り添う形で薬や医療の知識を一般にわかりやすく広めたいと考える。
    https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/


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