俳優として大活躍中の斎藤 工が「齊藤 工」名義で長編監督デビューを果たした映画『blank13』。
放送作家のはしもとこうじ氏の実体験をベースに描いた家族の物語で、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017」での作品賞(ゆうばりファンタランド大賞)、「第20回上海国際映画祭」での最優秀監督賞(アジア新人賞部門)など、国内外で受賞を重ねている話題作だ。
2/17(土)、『大阪ステーションシティシネマ』(大阪市北区)で本作の試写会が開催され、上映後に主演の高橋一生が舞台挨拶に登壇した。
満員の観客から大きな拍手と歓声で迎えられた高橋は、「今回の試写会は、約450席の定員に対して、6000通ほどの応募があったとお聞きしました。本当に嬉しい限りです」と深々と頭を下げた。
今作で斎藤と初タッグを組んだという高橋。斎藤は監督だけでなく、高橋演じるコウジの兄・ヨシユキ役として出演もしている。
「出演シーンは『スタート』は助監督さんが言うのですが、演技が終わったら、しばらくの沈黙の後、お兄ちゃんの格好のままで工さんが静かに『……カット』って(笑)。不思議な感じでしたね」と撮影の模様を明かした。
後半の葬儀シーンも今作の大きな見どころ。
高橋、恋人役の松岡茉優、斎藤が喪主側の席に座り葬儀は執り行われるのだが、撮影はアドリブに続くアドリブで「得体の知れない人たちが次々と来る感じ。本当に怖くて。笑いを堪えないといけないシーンもいくつもありました」と思い出し笑い。
「なかでも、くっきー(野性爆弾)さんがダントツに面白かった。狂気でしたね! ほかにもペンチを取り出したり、歌い出したり、もう何をしてくるかわからない! ちなみに、映ってないですが、僕、(不安で)工さんの方を見てますからね(笑)」と振り返り、さらに撮影の合間にくっきーから「帰り、車を貸してくれないか?」と言われたそうで、「初対面ですから、『いや…ちょっと……難しいです……』としか言いようがなくて(笑)。その後、『冗談ですよ』と怖い感じで言われたんで、もう話すのはよそうと思いました」と、会場を沸かせた。
高橋演じるコウジには、幼い頃「甲子園出場」という夢があったことにも触れ、MCが高橋本人の幼い頃の夢を聞くと「考古学者」という意外な回答が。
“ピラミッドの中は観光地になっていて、中のゴミ箱に観光客が捨てたバナナの皮が異常なまでに腐らない”ということを幼い頃に知り、興味を抱き、考古学者になりたいと思っていたのだそうで、「吉村作治さんは、僕の中でヒーローなんです!」と明かした。
現在放送中の朝ドラ『わろてんか』(NHK)の撮影で、今も週の半分は大阪に滞在しているという高橋。
「『ファンです!』とたくさんの方が声をかけてくださって。人があたたかいですよね。大阪は人情の街!」と大阪人には嬉しすぎるコメントも。
友達の店があるアメリカ村にはよく行くそうで、先日は焼肉を食べに鶴橋へ足を運んだそう。「その時、お店を出たらオバサマに『高橋さん!!』って腕を引っ張られて。小柄な方だったのにすごく力が強くて、グリン!(体が180度反転)ってなりました」という“大阪あるある”なエピソードも披露。
「グリン!は困りますが(笑)、声をかけていただけるのは本当に嬉しいです」と語った。
また、今後共演してみたい人を聞かれると、「FUJIWARAの原西さん!!」と即答。「特等席でずっと見ていたい。原西さん、ホント大好きなんです。休憩挟んでいただいてもちろん構わないので、1日中見ていたいくらい大好き。いつかご一緒したい」と熱烈ラブコールを送った。
舞台挨拶終了の時間が近づいたことをMCが話すと、観客から「え~~~!」と惜しむ声が。
すると高橋は「『え~~~!』って声、初めて。僕も観客席から一緒に『え~~~!』って言いたい!!」と、突然ステージを降り、観客席最前列に座ってステージに向かって大声で「え~~~~~~~!」と叫ぶ一幕も。
最後に「僕は本当にいい映画だと思っています。観てくださった方一人ひとりの中に(何かが)生まれてくる作品です。それも1つの映画の見方だと思っていて、その提示ができたかなと自負しています。今後も想像力を刺激できるような作品に出ていきたいなと思っているので、そのときはまた、皆さんにこういった形でお会いできたら嬉しいです」と語り、舞台挨拶を終えた。
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【STORY】
13年前にギャンブルによる借金を残して突然失踪した父・雅人(リリー・フランキー)の消息が判明。しかし、ガンを患っていた父は、すでに余命3カ月であった。
母の洋子(神野三鈴)と兄のヨシユキ(斎藤 工)は会おうとしない一方、父に対する怒りはあるものの、幼いころにキャッチボールをした思い出のあるコウジ(高橋一生)は、父の入院先を訪ねる。
しかし、残された家族との溝は埋まらないまま、父は3カ月後に帰らぬ人となった。
そして迎えた葬儀の日。参列者が口々に語る、家族の知らなかった父のエピソードから、父と家族の13年間の空白が埋まっていく……。
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【公式HP】 http://www.blank13.com/
【監督】 齊藤 工
【出演】 高橋一生
松岡茉優 斎藤 工 神野三鈴
佐藤二朗 / リリー・フランキー ほか
2017年製作/日本/1時間10分
【配給】 クロックワークス
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2/24(土)公開 ※2/3(土)シネマート新宿先行公開
【大阪】
大阪ステーションシティシネマ、シネマート心斎橋、MOVIX八尾、109シネマズ大阪エキスポシティ
【京都】
MOVIX京都
【兵庫】
神戸国際松竹、アースシネマズ姫路
5/12(土)公開
【大阪】
高槻アレックスシネマ
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