今回、取材に伺ったのは、中崎町にある『フレンチ食堂 セルクル』。
面白いショップが立ち並ぶ界隈にあり、梅田からも歩いて15分程度なので散策がてら訪れるのもいいですね。
入口は左の小道を入ったところに。
中崎町に溶け込む佇まいと空間
様々な業種が軒を連ねる中崎町というエリアの、雑多さや混沌とした雰囲気に惹かれてこちらでお店を構えられたそうです。
「フレンチなのに定食と謳う。ちょっと変わったうちの店でもここならありだな、そう思えたので」とオーナーの志野正明さん。
以前カフェだったという建物のディテールを残しつつ、内装業をされていた志野さんのセンスが活きた落ち着きのある店内。
通常キッチンとダイニングスペースは壁や色などで仕切るのですが、『セルクル』ではあえて区切らず全てがひとつの空間に。それゆえまるでセンスの良い友人の家に遊びに来たような、気楽さを感じます。
「フレンチ」の敷居を外せるようなフレンチを
フランス料理というと、どうしても格式ばった伝統的なイメージですよね。
気軽に行きにくい、でも興味はある。そんな方にもっとフレンチを楽しんで欲しいと、『セルクル』ではカジュアルな空間で定食スタイルのフレンチを提供しています。
オーナーの志野さんが料理人を志したのは、好奇心に導かれたから。
「中華や和食は多少の想像は付く。でもフレンチは全く未知の世界、だからこそ興味を持った。今も料理をするのが楽しいです」と言います。そして10年以上、各フレンチやビストロのレストランで修業を積んでから自身の店をオープンされました。
そんな志野さんのフレンチは、伝統の技法はもちろん取り入れつつ、攻めの料理だと言います。素材や調理法で、遊び心や新しさを加えた料理を常に提供しています。
またフレンチでは多く使われる「バターモンテ」を同店では取り入れていません。
「バターモンテ」とはソースの仕上げに、溶かしたバターを加えることで、これによりフレンチ特有のコクやソースのとろみがつくそうです。
ですがこの工程を省くことにより、素材の味をよりシンプルに引き出せるそうです。
そのため従来のフレンチと比べるとあっさりした仕上がりになっています。
“セルクル流”フレンチの定食とは
季節の食材を主役にしたメニューは、ランチもディナーも定食一筋!
ただ定食とはいえ、ミニコースのように提供されるので、気軽さはあれどフレンチを食べたという充足感も味わうことができます。
【ディナー】※バゲット付き
◆「セルクル定食」(1,500円)
アミューズ、オードブル5種、本日のスープ、メイン料理(肉か魚)
◆「もっとセルクル定食」(2,100円)
アミューズ、オードブル5種、本日のスープ、メイン料理2種(肉と魚)
◆食後のドリンクとデザート付きのフル定食(2,700円)
【ランチ】※ごはん付き
◆「セルクル定食」(950円)
アミューズ、オードブル3種、本日のスープ、メイン料理(肉か魚)
◆食後のドリンク付き定食 クッキー付(1,200円)
◆食後のドリンクとデザート付きのフル定食(1,350円)
「本日のスープ」は、カボチャの冷製スープやじゃがいものヴィシソワーズ、また冬にはミネストローネなど季節によって違うそうです。
この日のメインは「ハマチのポワレとトマトのビネグレット」。
ハマチを蒸し焼きにして、トマトベースのドレッシングを掛けた一品。ピンクの見た目が華やかな紅芯大根に、ブロッコリー、ミニコーンなどの野菜が周りを彩ります。
メイン料理は肉と魚が常に用意されているので、その日のメニューを聞いてから好きな方を選べるのもいいですね。
またディナーならぜひ一緒に愉しみたいワインも用意されています。
フランス産はもちろん、スペインやチリなど国や地域に関わらず、オーナーが実際に飲んで美味しいと感じたものを揃えているそうです。
※料理内容は取材時のもの
喜ばれるオーナーの小さなサプライズって!?
引き出し付きのこちらの机は志野さんの手作り。
もともと収納の工夫で思い付いたアイデアだそうですが、小さなスペースを区切って引き出しの中にカトラリーなど一式をあらかじめ用意していたところ、サプライズとしても喜んでもらえるそうです。
一式の中には陶器の箸置きや、引き出しごとに違う小さな飾り物などが詰まっており、「写真映えする」と人気のようです。心が掴まれる、可愛いアイデアですね♪
最後に
今までフレンチに距離を感じていた人にこそ、試して欲しいお店です。美味しい料理と気さくなオーナーが迎えてくれます。
昼は人通りが多い界隈で混みますが、夜は比較的人も少なく穴場タイム!
予約も可能なため、できれば一報を入れられることをおすすめします。
※ランチはオープン時の11:30からのみ予約可能
●気軽に美味しいフレンチを食べたい
●フレンチをリーズナブルに楽しみたい
●ディナーできる穴場を探している
そんなあなたはぜひ足を運んでみてください!
Writer:榎田 京
※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。