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今回取材で伺ったのは、大阪・北新地に開店して6年目になる居酒屋さん『浪花ろばた 頂鯛 北新地店』。
JR東西線「北新地駅」11-41出口より徒歩1分ほどで到着。力強い文字で「NO FISH NO LIFE」と書かれたのれんが目印!
居酒屋さんらしからぬ、オシャレバル風な店内が特徴!
のれんをくぐって店内に入ってみると、まるでオシャレバルのような空間が!
「あれ、お店間違ったかな……」というのは、取材時に受けた率直な感想。
「日本人は何事も全体のバランスを尊重するけど、アンバランスばかりを揃えておくことで、逆にそれがバランスよく見えてくるんです」(店長・平田善輝さん)
「居酒屋さんっぽくないよね!」というアンバランス感も、同店の楽しみ方のひとつ。ギャップ空間は店内の至る所で見かけることができますよ! ぜひ、探してみてね。
ちなみに、著者が面白いなと思ったのは、こちらの照明。イタリアで買い付けたランプシェードは、アンティーク好きの心をくすぐるような、少しレトロなデザインが可愛い!
実はこの照明も、席によって吊るされている高さが違うのだとか。これも、計算されたアンバランス感の演出のひとつなのだそう。
カウンター席は全部で10席。小さなボトル状の照明がいくつも吊られていて、お花のボトルや北欧寄りのデザインの壁紙は、オシャレバルそのもの。だけど照明の上には提灯があって、普段カウンターには割烹着を着た板前さんが調理をしているところが面白い!
今回は多彩なメニューから5品をピックアップ!
「飲食店なので、ご飯がおいしいのは当たり前。料理がおいしくて面白い、それが楽しくてコミュニケーションが生まれるお店でありたいです」とは、店長・平田さんのお言葉。
メニューを拝見すると、よく見る居酒屋メニューから、何だか一癖ありそうな面白いオリジナルメニューまで幅広くラインナップ。この名物メニューが理由で、コース利用よりもアラカルト利用の方が多いそう。
今回はこのメニューの中から、特に人気の5品をピックアップ!
従来の居酒屋メニューの常識が覆されるような、一風変わった料理をご覧ください!
奥から溢れる甘みがたまらない!
「-196℃の冷やしフルーツトマト」
「えっ、ただのボウルに入っているトマトじゃ……」と思われましたよね。
最初に見た時、「赤みが強いトマトだなぁ」という印象がありましたが、ここからテーブルでアレンジ開始!
店員さんが液体窒素が入ったやかんを持ってきて、その場で注いですぐ絡めます。
液体窒素の湯気が溢れるやかんは、中から液体窒素が溢れてしまうのでは!?と思うほどの勢いで持ってきてくれる。お客様はほぼ100%びっくりされたり、笑われたりするそう。
「こうした演出も、当店ならではのエンターテインメント。大阪らしさを感じてもらいたい」(店長・平田さん)
そして、アレンジ完了後のトマトがこちら!
艶やかなトマトは表面が薄く凍っていて、お箸からもその"シャリッと感"が伝わってくる。
一口食べた感想は、とにかく「甘ッ!」。
北海道・余市から直送されるトマトはもともと甘みが強いことが特徴。そんな甘みを液体窒素でぎゅっと閉じ込めることで、より強く甘さを出せるのだとか。
フルーツ顔負けのその甘みは、野菜の枠を超えてデザートとも言っても納得できる。食感が面白いこともポイントのひとつ。
『浪花ろばた 頂鯛 北新地店』といったらコレ!
「お刺身階段七種盛り合わせ」
毎朝届く新鮮な魚から、日替わりで7種類を提供する「お刺身階段七種盛り合わせ」(1人前1,706円~ ※2人前より提供)。
日替わりで変わるお刺身、取材当日のラインナップは、下から
◆香川の「カンパチ」
◆鹿児島の「うおぜ」
◆愛媛の「真鯛」
◆ニュージーランドの「本マグロ」
◆青森の「鰆」
◆長崎の「剣先イカ」
◆高知の「鰹」
きめの細かい刺身はどれも分厚く噛み応えがあり、その甘みや旨味は、一口目には感動で言葉を失ってしまうほど。
コクのある自家製の土佐醤油、「ミョウガ」「大葉」「大根」「塩こぶ」で和えて作られた醤油麹、そして藻塩。3種類の違った味わいで堪能できる一品。
印象的だったのは、鰹のお供に使用したポン酢。まるで繭のような泡状のポン酢にくぐらせてパクッ!
それでもしっかり、ポン酢の酸味や味わい、風味が口いっぱいに広がります。
唎酒師(ききざけし)でもある店長・平田さんが、このメニューのお供としておすすめするのが「乾坤一(けんこんいち)」。宮城県の辛口日本酒で、お刺身の甘みをキュッと締めてくれる。
「うちじゃないです!」とお客様が一度は勘違いする「肉じゃがのケーキ仕立て」
「おめでとうございます!」の声と共にテーブルに来たのは、同店面白メニューのひとつ「肉じゃがのケーキ仕立て」(734円)。
「他のお客様に出すお祝いのケーキが、間違って自分のテーブルに来ちゃった!」と勘違いして、慌てて受け取り拒否をするお客様が続出するこちら。
見た目はケーキでも、中身はしっかり「肉じゃが」なのです!
中には、おいしそうな匂いを放つホクホクしたじゃがいもがぎっしり!
イチゴソースに見える表面の赤い部分は、ビーツをすり下ろしてマヨネーズと和えたもの。かかっているソースはジュレではなく、肉じゃがの煮汁なのだとか。
食べてみると衝撃! 見た目はケーキでも、味は本当に「肉じゃが」そのもの!
よく煮込まれて味がしっかりしゅんだじゃがいも、そしてほとんど見えないのに、確かにそこに感じる肉の旨味。ケーキをおかずにご飯を食べる、そんなアブノーマルな姿を演出して、友達をびっくりさせると面白いかも!
ちなみに甘いものが苦手な人のお祝いごとでは、この「肉じゃがのケーキ仕立て」でバースデーケーキ対応もしてくれるよ! これならきっと、ケーキが食べられない人も喜んで食べてくれるはず♪
まさにクリームコロッケ2.0!?
「蟹味噌クリームコロッケ」
「ジャーン!」と音は鳴らずとも、お皿でその豪快さを伝えてくれたのがこの「蟹味噌クリームコロッケ」(518円)。
一見すると、普通のコロッケにしか見えない。しかし、お箸で割ってみるとビックリ!
中からはなんと、濃厚な蟹味噌を贅沢に使ったタネが!
「これは……まるで、甲羅を変えて爪をなくした蟹を、そのまま食べているような気分です」(取材担当者)
温かい湯気とともに、ふわっと鼻の奥に届く蟹味噌の香りは、なかなか普通の居酒屋さんでは嗅ぐ機会がない高級な香り。
味は、クリームコロッケのタネがそのまま蟹味噌の味になったようなもので、水分は適量以外を飛ばしているからこそ、その旨味をダイレクトに味わうことができる。それくらい濃厚で、贅沢な一品。
厚みからは想像できないやわらかさが憎い!
「旨すぎな豚の角煮!おじや添え」
「うちの角煮は、今まで見てきた角煮とは一味違うと思いますよ」と店長・平田さん。
その言葉と共に出てきた角煮は、居酒屋メニューというよりも、むしろ少しイタリアンな風貌!
大きな豚の角煮を支えるかのように敷かれたご飯はおじやなので、白米よりも軽く食べられるのが嬉しい。角煮はお米のベストパートナーなので、このメニューひとつでそのコラボを堪能できるようにと開発されたそう。
ナイフを入れてみるとビックリ!
1番厚い部分は成人男性の親指ほどの肉厚があるのに、ナイフがスッと入ってしまうほどのやわらかさ。何度も研究を重ねた結果、最後はスチームで仕上げることによって、この驚きの柔らかさを出すことに成功したのだそう。
たくさんお食事をいただいても、ナイフを入れた瞬間に漂う肉肉しい香りに、思わず鳴ってしまうお腹が憎々しい。
白ネギを乗せ、からしと冷凍された卵黄を和えて作ったソースを添えて、いただきます。
口に入れた瞬間に広がる甘辛い香り、噛んだ瞬間に溢れるジューシーな肉汁、そして飲み込んだ瞬間に喉から湧き上がってくる幸福感。豚肉独特の鉄分の味や臭みは一切なく、「口に入れたら溶けた!」という高級食材感覚を、角煮で堪能することができる。
おしゃれ気分ながらも、安心できる家庭の味をあじわいたいなら、ぜひオーダーしたい。
女性の唎酒師見習いが厳選!
日本酒初心者の女性も楽しめる銘柄3選
同店では、唎酒師の資格を持った店主が厳選した日本酒35銘柄を常備。
その中から、現在唎酒師の資格取得にチャレンジしている女性スタッフ・榎本莉絵さんに、「日本酒初心者の女性におすすめの銘柄」をピックアップしてもらいました!
左から三重の「而今(じこん)」、秋田の「No.6(ナンバーシックス)、そして新潟の「伊乎乃(いおの)」。
この中から特におすすめしたいのは、秋田の「No.6」!
白ワインのような酸味が楽しめる「No.6」。軽い口当たりに日本酒独特のアルコールのきつい香りもなく、スッと飲めてしまう初心者向けの銘柄。
煮付けメニューと一緒に味わえばやみつきに!
ボトルも可愛いので、女子会で一本おろしてしまうのもいいかも。
最後に
まるで飲食業界のテーマパークのようなお店である『浪花ろばた 頂鯛 北新地店』。
今回紹介したメニュー以外にも、気になるお料理が盛りだくさん。女子会やデートにもおすすめ。
●ちょっと変わった居酒屋さんに行ってみたい!
●初心者でも日本酒を楽しめるお店を探している!
●北新地でお気に入りのお店を見つけたい!
そんなあなたは、ぜひ足を運んでみてね。
Writer:近藤
※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。