「Wa coffee(ワ コーヒー)」(大阪府大阪市住吉区東粉浜)があるのは、阪堺「住吉駅」から徒歩すぐの場所。飲食店やマンションがひしめく路地に、ひっそりと佇んでいます。
●おいしい焼き菓子と巡り合いたい
●グルテンフリーなおやつを探している
そんな人にぜひ訪れていただきたいお店です。
オープン時からお客さんが絶えない人気店
「Wa coffee」がオープンしたのは2016年の頃。それまでカナダのベーカリーでブーランジェとして勤務していた店主が、帰国後、北米や欧州の焼き菓子を中心に据えたお店ができないかと立ち上げました。
「Wa coffee」の店名は、まさに「輪」から取られたもの。食を通して国や人との輪が広がるように、との思いで名付けられています。
入って真ん前にあるショーケースには、その日焼き上げたばかりのお菓子がずらり。タルトにチョコレートケーキにクロワッサンにスコーンに……どれもおいしそうな焼き色が付いていて、あれもこれもと選びたくなります。
焼き菓子のレシピはカナダで提供していたものをベースにしつつ、甘さは少し控えめに。砂糖は保水性があるため量を抑えるとパサつきがちになるところ、粉の種類や量を絶妙に調整しながら、理想の食感へと仕上げています。
ちなみに、焼き菓子のキーポイントとなる粉類は、小麦粉のほか、米粉やアーモンド粉、コーンフラワーなども場合によって使います。結果として小麦粉を使用していないグルテンフリーのお菓子も増えたことで、制限のある人もない人にもうれしいお店となりました。
イートインスペースは、手前のカウンターに加えて奥にテーブルが2席と、合計3組のみが利用可能。イートイン・テイクアウトともに開店直後から客足が途切れず、この日もオープン後すぐに全席が埋まる形となっていました。
サクサクのタルト生地と濃厚ガナッシュ

そんな「Wa coffee」でぜひ食べておきたいのが、多彩な素材を見事に組み合わせたケーキ類です。こちらは、コーヒーと蜂蜜で仕立てたフィリングにアーモンドをたっぷり加え、ガナッシュを華やかに絞り出した、スペシャルなタルト。さまざまな食材を組み合わせることで、いわゆる“ショコラタルト”ではない、重層的な味わいを演出します。
チョコレートたっぷりのガナッシュは、濃厚で食べ応えしっかり! 丁寧に焼き上げられたタルト生地も、ごろごろアーモンドとはちみつが香るフィリングも、一つひとつが調和しておいしい余韻を残します。
「はちみつで甘味をつけたり粉の種類を吟味したり、ひとつのケーキでもいろんな素材を使うのがうちの特徴かもしれません。北米やヨーロッパの焼き菓子をおいしく食べてもらいたいという気持ちで、さまざまな素材を試しながら手作りしています」(店主)。
ケーキ類はほかにも、「粒あんとかぼちゃあんのアーモンドタルト」や「ココナッツといちごのクリームタルト」、アメリカ南部発祥の「ハミングバードケーキ」など、日替わりで5、6種類ほど用意。イートインなら塩キャラメルアイスがサービスで付いてくるのもうれしいです。
いつでも食べたい、定番「アップルパイ」

定番メニューは「アップルパイ」や「クロワッサン」「スコーン」など。今回は手作りのパイで仕立てた、フレンチスタイルの「アップルパイ」を選びました。
横から見たときの、幾重にも重なった層には驚くばかり。照り感のある表面も美しく、食欲がぐいぐい湧きます。また、手のひらと同じくらいのボリューム感ながら、ひとつ420円というリーズナブルな価格もうれしいところ。
中にはリンゴのコンポートがぎっしり入っていて、これまたうれしい驚きです。ことこと炊き上げたリンゴは甘さ控えめで、バター香るパリパリのパイ生地ともマッチ。おなかにするすると収まっていき、あっという間に食べ終えてしまいました。
テイクアウトした際には、食べる直前にオーブントースターかオーブンで軽く焼くのがおすすめとのこと。リンゴがとろっと溶けて、焼きリンゴのような風味が楽しめるのだそうです。
クッキー類も変わり種ばかりで楽しい
手土産にぴったりなクッキー各種も、ほかではあまり見たことのないラインアップで楽しいです。玄米粉やアーモンド粉を使ったグルテンフリーのクッキーもあり、小麦粉が気になる方へのプレゼントにも◎。

ほんのりとした塩気とカルダモンの爽やかな余韻が後を引く「アーモンドとカルダモンクッキー」は、甘さをぐっと抑えて素材の味が引き立つ仕立てに。キャラメリゼしたアーモンドスライスとチョコレートの濃厚なハーモニーが楽しめる「フロランタン」は、午後のティータイムにうってつけのコクのある甘味に酔いしれます。
毎日のおやつにも、おもてなし用にもぴったりな「Wa coffee」の焼き菓子たち。ショーケースを吟味しながら、ぜひいろんな味を試してみてくださいね。
※撮影:ライター