今回取材に伺ったのは、大阪キタの繁華街からほど近い中津にお店を構える『ンケリコ』。
Osaka Metro御堂筋線「中津駅」より徒歩約10分、阪急「中津駅」から徒歩約5分、古くから街を見守ってきた『中津商店街』の中にあります。
商店街を進むと現れる、洒落た雰囲気のカフェ&バル
商店街を進むと現れるのは、大小異なる摺りガラスを幾重にも重ねたレトロな外観が特徴の『ンケリコ』。
ネコを模したガラス窓の扉を開けて、入店します。
「賑やかな都心は元気な時やパーティーな気分の時はいいけれど、たまには落ち着いて真面目な話がしたい時とか、しんどいじゃないですか? なので、そういうゆっくりと落ち着いて食事や会話を楽しめる場所をつくりたいなと思って、この場所を選びました」と教えて下さったのはオーナー夫妻の旦那様、清水暁(しみずあきら)さん。
街中から近い所にゆっくり食事を楽しめる場所を作りたくて、このお店を始められたそうです。
元々はサラリーマンだったという暁さんは飲食店で働かれていた奥様の瞳(ひとみ)さんと瞳さんのお母様・久美子(くみこ)さんとお店を開店することに。空き店舗を探していたところ、ご友人がたまたま見つけた物件を教えてくれて、探していた条件にぴったりの立地に運命を感じ開店を決められたそうです。
元々はコンビニエンスストアを営業されていた場所をご自身でデザイン&改装。
暁さん、瞳さん、彫刻家であるご友人の3名で、10カ月かけて完成させたそうです。「それはもうDIYの枠を飛び越えて、建築でした」と暁さんは笑いながら当時の苦労を教えてくださいました。
ご自身達で手掛けられたという店内は、温かく落ち着く空間に。カーブのかかったカウンター席は互いの顔が見やすく、複数人で利用しても会話がしやすいようになっています。随所に施されたこだわりが、お店の端々から見受けることができました。
店名の『ンケリコ』は、「Mmm Que Rico」と書くスペイン語。「Que Rico(ケリコ)」=「おいしい」に、「Mmm(ん~!)」という感嘆詞を付けて、自然と溢れ出る「ん~! おいしい!」と言う言葉を表現して名付けられたそうです。
また、暁さんは「『ン』からはじまる店名は変わっていて最初は覚えるのが難しいかもしれないですけど、珍しくて、覚えてもらいやすいかなと思って」と、店名に込められた想いを教えてくださいました。
季節の野菜をふんだんに使用した料理に、思わず漏れる「ん~!おいしい!」
季節の野菜をふんだんに使って、料理のスタイルにこだわらず「おいしい」と思うものでメニューを随時更新しているという同店。
こだわりの野菜は岡山県美作市で育てられたもので、毎朝収穫したての新鮮なものを仕入れているそうです。
人気の「たっぷり旬野菜とチーズのサラダ~バルサミコソース~」は旬の野菜が10種類以上使われたボリュームたっぷりの一皿。
トッピングにはその時々で仕入れたチーズを数種類使用しています。この日はオランダ産のチーズ、「プリマドンナフォルテ」やイタリア産の「パルミジャーノレッジャーノ」を使用。
細かく削られたチーズとスライスされたチーズの食感の違いが面白く、食べ進めるごとに彩り豊かな野菜が現れる、目にも舌にも楽しい一品です。
ボリュームがあるので、2~4人で分けていただくのがオススメ。
外側はサクッ、中はふわとろの、季節の野菜が詰め込まれた「キッシュ」。
取材時は、白ねぎ、きのこ、ベーコンが入っていました。おいしさの秘訣を尋ねると、「中のふわとろ食感はクリームチーズがポイントです」と瞳さんが教えてくださいました。
また、パイ耳の部分はサックサク! ペロリといただけてしまいます。
お母様久美子さんの自家製という果実酒は、かりん、ブルーベリー、すもも、あけび、鴨梨、デコポン、金柑、ゆず、パイナップル、イチジク、びわ、ざくろ、梅など、充実の品揃え。
いただいたデコポンの果実酒は、爽やかな柑橘の香りと、デコポンの苦みの中にほんのり甘みを感じる一杯。甘すぎる果実酒は苦手という方にもオススメです。
金曜日17時以降にはお酒1杯に付き出し3種盛りが無料で付いてくる“ちょい飲みフェア”も。金曜夜の飲み始めの1杯に、いかがでしょうか?
『ンケリコ』には、終日食べられる定食やケーキも
カフェ利用のお客様も多くいらっしゃる同店では、大阪・今福の『煎りたてハマ珈琲』から仕入れているコーヒーを使用。
季節の果物などを使った、甘さ控えめの手作りケーキも人気です。
また、決まった時間にお昼や夕食を食べられない方からは、週替わりの「ンケリコ定食」(1,080円)や「パスタ」(961円)、「季節の野菜たっぷりカレー」(918円)なども重宝されているそう。
アラカルト、定食、スイーツなど、すべてのメニューが終日同じ値段でいただけるのが嬉しいですね。
まとめ
「お客様の、さまざまなニーズを満たせるお店でありたい。お客さん一人ひとりの顔が見えて、おいしいと言っていただけると嬉しい」とおっしゃる暁さん。
取材の最中にもおばあちゃまがおひとりで来店されていて、さまざまな方に愛されているお店なのだなと実感しました。
バルとして、定食屋さんとして、カフェとして、『ンケリコ』でゆっくりと流れる穏やかな時間を楽しまれてはいかがでしょうか。
Writer:濵上 実可子
※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。